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1500℃級の次は、1700℃級?

コンバインドサイクル発電とは、1000℃以上の高温高圧の燃焼ガスを発生させてガスの膨張力で発電するガスタービン発電と、600℃程度まで温度の下がったガスタービンの排ガスをボイラーに導いて蒸気を発生させ、蒸気の膨張力によって蒸気タービンを回転させて発電する汽力発電を組み合わせたもの。

東京電力では1985年に、千葉県の富津火力発電所で1100℃級のコンバインドサイクル発電を初めて導入した。以来、ガスタービン入口温度側の高温域を1300℃級、1500℃級と上げてきた。また、530℃程度だった蒸気タービン側の温度も川崎火力発電所では約570℃に上げ、さらに熱効率を高めてきた。1500℃級コンバインドサイクル発電のことをMACC(More Advanced Combined Cycle)発電とも呼ぶのは、それゆえである。

1500℃級コンバインドサイクル発電設備主要機器(提供:東京電力)

1500℃級コンバインドサイクル発電設備主要機器(提供:東京電力)
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川崎火力発電所のMACC発電に用いるガスタービンは三菱重工業製の「G型」で、燃焼器や動静翼など高温部品の材料には、ニッケルベースの耐熱超合金や、サーマルバリアコーティングなどの遮熱コーティングを採用。高温の燃焼ガスによる損傷を防ぐために、燃焼器には蒸気を、動静翼には空気を通す冷却機構を設けて、部品の温度を下げている。

菅井所長は、「最新型のジェット機では、既に1700℃級のガスタービンが実用化されているが、民間航空機の連続フライト時間は長くても20時間前後。発電所の場合、電力の安定供給のために数千時間単位で連続運転することが必須条件だ。高温高圧に長時間耐え得る材料を使うと同時に、ガスタービンの熱損傷を防ぐ冷却技術の向上がカギになる」と話す。

菅井所長

菅井所長は「ガスタービン入口ガスの高温化、蒸気条件の高温高圧化などで59%の発電効率を実現させている」と語る

さらなる高効率化を求め、すでに1700℃級のコンバインドサイクル発電の実用化に向けた技術開発も、国家プロジェクトとして進行している。これによって発電効率は63%程度に上がると期待されるが、商業利用にはしばらく時間がかかるとみられている。さらに、燃料電池とコンバインドサイクル発電を組み合わせた発電方法の研究開発も進んでいる。

コンバインドサイクル発電は、石炭ガス化複合発電(IGCC※2)など、他の発電技術にも応用できるため、日本の発電設備の約6割を占める火力発電所全体の高効率化には必要不可欠であることがわかる。

※2: 石炭ガス化複合発電(IGCC)
石油火力を石炭火力に置き換えたコンバインドサイクル発電。石炭を細かく砕いてから、炉で蒸し焼きにしてガス化し、燃料ガスを発生させる。発生した燃料ガスをガスタービン内で燃焼することでタービンを回し発電する。その後、ガスタービンを回し終えた高温の排ガスで、さらに蒸気タービンによる発電を行なう

ガスタービンの排熱を利用して蒸気を発生する排熱回収ボイラー

ガスタービンの排熱を利用して蒸気を発生する排熱回収ボイラー
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