火災を防ぎ健全な燃焼を助ける
二重構造の煙突
そして薪ストーブといえば、本体だけでなく“煙突”の存在も気になるところ。富井氏によれば、煙突は本体と同等、いやそれ以上に重要な部分であるらしい。
「薪ストーブでは火災を心配される方がいますが、薪ストーブによる火災は、本体ではなく煙突が熱を持つことで起こる“煙突火災”がほとんどです。ですから、当社では間に25mmの断熱材が入った二重構造の円筒の使用をお薦めしています。事実、欧米ではシングル管は煙突として認められていませんしね。この断熱材は外側を熱くしないというだけでなく、内部の熱を冷まさないための働きがあるのです。薪ストーブは煙突内が熱を持つことにより起こるドラフト(上昇気流)の自然力学によって、快適な燃焼と暖房が得られます。きちんと断熱材を施した二重煙突なら、煙突内部が冷めないため、ドラフトが連続的に働いて快適にストーブの機能が発揮されるのです」

永和 代表取締役社長 富井 忠則 氏。手に持っているのは、二重構造の煙突部材だ
ちなみに薪ストーブの誤ったイメージとして、例えば1階に薪ストーブ本体を置いて、2階まで煙突を伸ばせば、「煙突の輻射熱で2階も暖まる」というものがある。それについて「煙突は熱を持ってはいけないんです(笑)」と富井氏。「煙突ではなく、薪ストーブ本体が空気を暖める。だから空気の通りさえ良くしておけば、煙突がないどの部屋もまんべんなく暖めてくれますよ」
ただ問題は、煙突の施工。この点では、既築よりは新築の方が設置について選択の幅が広いそうだ。
「ストーブ自体は割と自由にどこにでも置けますが、煙突は屋根の勾配に合わせるとか、風圧に耐えうるかどうかを考えたり、長い煙突の各部位の気圧のバランスを崩さないようにするなど、様々な条件を考えて健全な状態で外に出るようにしてあげないといけない。建ててからだと、「左に置きたかったけど、煙突がうまく出ないから右へ移動しないと」という具合に、妥協点を見出す必要が出てきます。また本体は家庭用ピアノぐらいの重量がありますので、家の状態によっては床の補強も必要かもしれない。やはり新築で、設計の段階で相談していただいた方が、色々と安く済むのは確かです」
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