戸建住宅の駐車スペースに200Vを標準装備
一方、一般家庭の場合はコンセントからの充電となる。急速充電器はそれ自体が高額である上に、さまざまな工事が必要になるからだ。
家庭に設置されているのは大半が100Vコンセント。これを使うと「R1e」はフル充電に約8時間、「i MiEV」は約14時間かかる。しかし、IHクッキングヒーターや電気温水器などに使われる単相200Vコンセントなら、それぞれ約6時間と約7時間に短縮可能だ。利便性を考えれば200Vがほしいところだが、駐車場に設置されているケースはあまりない。
そこに着目したのが伊藤忠都市開発である。神奈川県港北ニュータウンの戸建住宅「クレヴィアコート北山田」に、EV充電用200Vコンセントを標準で設置することを決めた。この住宅は2009年1月からモデルルームを公開し、順次販売していく予定だ。
「1年半ほど前からEVの情報が増えていたので、いよいよ本格的に普及するかもしれないと感じました。クレヴィアコート北山田の建設地はEV普及推進に熱心な神奈川県の港北ニュータウン。もともと環境対策に積極的な上に、富裕層が多くてセカンドカー需要が高いエリアです。1台はガソリン車でも、2台目はEVという可能性がありますから、お客さまには“EV対応”が将来便利になると考えています」(伊藤忠都市開発 都市型戸建事業課長 名古屋修氏)

伊藤忠都市開発 都市型戸建事業課長 名古屋修氏
EV充電用200Vコンセントは戸外の駐車スペースに設け、室内には通電をコントロールするタイマー付きスイッチを設置する。スイッチは決まった時間だけ通電する、あるいは手動で通電のオン・オフを切り替えるためのもの。無駄な電力消費の防止と利便性の向上が目的だが、セキュリティ対策としても有効だろう。いずれEVが普及すれば電気泥棒に遭うリスクも考えられなくないからだ。
既存の住宅にこうした設備を取り付けるには大掛かりな工事が必要だが、新築時なら配線に少々手を加えるだけでコストはさほどかからず、販売予定価格(1戸8000万円程度)から見れば微々たるものなので、EV充電設備に関する諸費用は住宅販売価格に転嫁しないこととした。
名古屋氏は「今後、クレヴィアコートシリーズはEV対応を標準化していくつもり」とし、可能であればマンションなど集合住宅にも導入したいと語る。
また、東急電鉄と東京電力による「T-LINES PROJECT」でもEV対応住宅を開発した。閑静な住宅街として人気の東京都世田谷区に建てられた分譲住宅「奥沢ハウス」だ。こちらも駐車スペースに200Vコンセントを設ける。2008年11月1日から登録申込受付を開始し、15日に申込を締め切って抽選を行う予定だ。

クレヴィアコート北山田のイメージ図。戸外の駐車スペースにウォールを設け、そこに防水型200Vコンセントを設置する。200VはEV充電用で屋内から通電のオン・オフ操作が可能。
※提供:伊藤忠都市開発
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