使うなかで生まれる欠点を補う“知恵”
こうした急速充電器や充電用コンセントの整備はEVの普及を後押しするはずだ。フル充電した富士重工業(スバル)の「R1e」の航続距離は約80km、三菱自動車工業(三菱自工)の「i MiEV(アイミーブ)」は約160km。近距離の移動は問題ないが、外出先でも充電ができれば安心して乗ることができる。

東京電力 営業部 デザインセンター 所長 森尻謙一氏
東京電力は1月からパーク24と共同で時間貸駐車場「タイムス」に200Vと100Vの充電用コンセントを設置し、実証実験を行っている。また、9月からは大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会とも実証実験を開始した。こちらは民間ビルの地下駐車場に急速充電器を設置するほか、一部駐車スペースに200Vと100Vの充電用コンセントを備える。
東電は現在、「R1e」を40台、「i MiEV」を10台保有する。台数の差は「導入時期の違いだけ」(東京電力 営業部 デザインセンター所長 森尻謙一氏)とのこと。いずれの車両も日常業務に使用しており、道中で適宜、タイムスや大手町・丸の内・有楽町地区の駐車場などで充電を行い、そのデータを収集している。
これまでの実証実験を通して東電ではEVに確かな手ごたえを感じているようだ。
「EVはガソリン車と比べると航続距離は確かに短いですが、当社の場合、ほとんどの業務車両は1日の走行距離が80km以内ですから、現時点で、特段の不便なく業務を行っています。車両によっては月間1000km以上走行していますよ」(森尻氏)
適材適所で活用するうちに、充電方法も工夫するようになった。急速充電器を使えば早く充電が完了するが、車両台数分だけ用意できるわけではない。そこで使用後はまず急速充電器で5分程度(約40km走行分)充電し、続きはコンセントで充電するという“知恵”が生まれた。これは利用者である社員が自発的に始めたことだという。
EVに対しては航続距離が短い、充電に時間がかかるといった短所が指摘されているが、森尻氏は「長所を生かし、短所を補う工夫をすれば用途は広がります」と語る。

移動距離があらかじめ分かっている業務なら、問題なく活用できるという。
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