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カーボンオフセット活用術(第5回)相殺費用を誰が負担するか 企業向け、消費者向けで違う

2008年10月28日
相殺費用を誰が負担するか  企業向け、消費者向けで違う

売り上げ増、消費者の啓発など目的に応じて費用の負担者は決まる。企業向け商品では顧客負担で成功した例もあり、今後も増えそうだ。


商品・サービスにかかわるCO2排出量を相殺する場合、その費用を企業が全額負担するか、あるいは購入する顧客に全額または一部を負担してもらうかは大きな悩みだろう。


企業負担で4900tを削減

7月から「CO2排出権付き商品」の販売を開始したローソンは、メーカーとともに相殺費用を全額負担する方式を選択した。飲料や洗剤、乾電池など28商品が対象だ。購入客は、飲料なら1本につき1kg、それ以外の日用品は1品につき250gのCO2削減に貢献できる。すべて数量限定で、完売すれば合計4900tの削減になる。ローソンは三菱商事から購入したCERを、対象商品の販売実績に応じて日本政府へ寄付する。

排出枠の購入費を商品価格へ転嫁しない理由について、CSR推進ステーションの長谷川泉アシスタントマネジャーは、「カーボンオフセットという言葉をまず知ってもらうのが第一歩。広まっていない中で価格に転嫁すれば顧客に『なんなの』と思われかねない」と説明する。

実際にどれだけCO2を相殺したかはホームページで公開する。既に、日本コカ・コーラがローソン限定商品として開発した飲料を公開しており、毎週、実績を更新している。1本当たり1kgの削減になるため、出ている数字は販売本数そのものだ。メーカーが販売実績を週次で明かすのは異例のこと。それだけ、透明性の確保を重視している。

CSR推進ステーションの片山裕司部長は、「CO2は空気みたいなものなので、きちんとやっていることをどうやって伝えるかが重要。相殺費用を価格に乗せるのであれば、(商品の製造から輸送、廃棄まで全工程のCO2排出量を算出、表示する)カーボンフットプリント制度が整備されているべき」と話す。

メーカーと協力して販売するローソンのカーボンオフセット付き商品(左)。POP(店頭販促物)でCO2削減効果を訴求する(右)

「電気代が1年間タダになるんですか」。消費者からこんな問い合わせを受けたのが、マンションデベロッパーの伊藤忠都市開発(東京都港区)だ。事の発端は、今年3月から販売を開始した「グリーン電力マンション」だ。

「クレヴィア本郷」と「クレヴィア新大塚」の2棟は、住むだけでCO2削減に貢献できる点を売りにする。政府が推奨する「1人1日1kgのCO2削減」にのっとって、想定される入居者数で1年分のCO2削減に相当するグリーン電力証書を日本自然エネルギーから調達し、所有権を各マンションの管理組合に譲り渡す。

グリーン電力証書の購入費は全額伊藤忠都市開発が負担する。CSRの一環として自社のCO2削減活動をアピールしようと販売し始めたので、価格に上乗せしようとは考えなかった。消費者からの問い合わせが物語る通り、カーボンオフセットの仕組みを正確に伝えるのは容易ではない。価格に転嫁する場合は、消費者が納得するような根拠が明確でわかりやすい説明が求められる。

●マンション(伊藤忠都市開発)・・・CO2・4万8910t
「クレヴィア本郷」の入居者134人(想定)がCO2を1人1日1kg排出するとし1年分の量をグリーン電力で相殺

一方、消費者が相殺費用を負担する方式を取ったのが、佐川急便だ。この9月から、千趣会のインターネット通販サイト「ベルメゾンネット」で「CO2排出権付き飛脚宅配便」サービスを開始した。12月までの期間限定で提供する。

宅配便1個当たりの輸送で排出する346gのCO2をCERの購入で相殺し、その費用として購入客は1円を負担する。排出した分を埋め合わせるだけでは大気中のCO2は減らないので、佐川急便と千趣会もそれぞれ同額を負担することにした。3者で合計3円を拠出し、1038g分のCER取得に充てる。このCERは日本政府に寄付する。

配送時のCO2を排出枠の購入で相殺する佐川急便の「CO2排出権付き飛脚宅配便」。利用者は1円の追加料金を支払うことで346gのCO2削減に貢献できる

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