2010年「名古屋」への条件 先進企業に学ぶ生物多様性(第4回)

日本でも企業がネットワークを作り、生物多様性保全で連携を始めた。ポスト2010年目標や遺伝子資源の合意に向け、日本の手腕が試される。
名古屋でのCOP10開催に向けて、次期議長国の日本政府、そして日本企業は何をすべきなのだろうか。
COP9では9社の日本企業が、ドイツ政府の立ち上げた「ビジネスと生物多様性(B&B)イニシアチブ」にリーダーシップ宣言し、生物多様性に取り組む力強い姿勢を見せた。アレフ、富士通、鹿島、三井住友海上火災保険、森ビル、リコー、サラヤ、積水ハウス、住友信託銀行である。
各社は社長名で7つの基準(下)を守ることを宣言し、自社独自の生物多様性保全の目標を掲げた。例えば、住友信託銀行は、「生物多様性に先進的に取り組む企業に投資するSRIファンドを開発すること」。森ビルは、「都市再開発で生物多様性を意識し、在来種や固有種に配慮して緑のネットワークを作ること」だ。

●リーダーシップ宣言の7つの基準

これらの先進企業が、掲げた目標を達成し、国と協力し合いながら保全活動を展開すれば、大きな成果として日本が打ち出せる。
後押しする動きも出てきた。4月1日、民間が中心になって日本にも「企業と生物多様性イニシアティブ」が発足した。三井住友海上やINAX、味の素など様々な業種の企業が17社参加する。
このイニシアティブは、生物多様性を評価するモニタリング指標を開発するとともに、事業と生物多様性との関係性をサプライチェーンまで含めて分析する。業界別に配慮すべき問題を示して企業の取り組みを支援するネットワークだ。
しかし、今のところ政府はこうした民間の積極的な動きを束ねるほどの主導権を発揮できていない。「ドイツのB&Bイニシアチブのような社会的枠組みを作ってくれれば、企 業も勇気づけられる。慈善活動だけでは生物多様性は守れない。COP10に向けて政府も強いイニシアチブをとってほしい」と、サラヤの更家悠介社長は苦言を呈する。

●主な宣言企業が掲げる目標
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