今年に入り「ゲリラ雷雨」による問題も

富士通 物流本部 グロ-バル物流部 プロジェクト課長 丹羽和彦氏
順調に伸びてきているように見える富士通のモーダルシフトだが、今年、2008年に入って新たな問題に直面している。
それが、限られた地域に対して短時間に多量の雨が降り、日本各地に多大な被害をもたらした集中豪雨、通称「ゲリラ雷雨」だ。
「ご存じようにモーダルシフトの弱点は、台風や積雪、地震などの影響で、列車が止まることです。もちろんそのリスクを回避するために、これまでは雨や雪などで列車の運行が危ういときは、トラックによる代替輸送を行い、目立ったトラブルもありませんでした」(丹羽氏)。
しかし、この夏、ゲリラ雷雨により何度も列車が止まり、到着が遅れるというトラブルが続いたという。
丹羽氏によると「ゲリラ雷雨の場合は予測が難しく、運行ダイヤの関係から一度、列車が止まってしまうと、積み荷を積み替えることができません。積み荷は次の日の深夜まで、24時間もの間そのままになってしまいます」とのことだ。
温暖化対策ために取り組んでいる物流のモーダルシフトが、温暖化の影響ともいわれているゲリラ雷雨に影響を受けるというのは、皮肉な結果である。
とはいえ、それでCO2削減への努力を止めたら、あとは企業活動が拡大するにつれてCO2排出量は増えるばかりだ。そこで富士通では、モーダルシフトの他にも、商品を梱包する箱のサイズを小型化し、さらには積載方法を工夫することでトラックの積載率を向上させたり、天然ガストラック自動車の導入を委託先と検討したりするなど、さらなるCO2削減への取り組みを続けている。

富士通 物流本部 グロ-バル物流部 統括部長 渡辺伸之氏
「環境問題への取り組みが、今後、モノを選ぶ際の基準の1つとなるはずです。物流サイドでも、CO2排出量を削減する取り組みを積極的に推進していく必要があり、モーダルシフトはその有効な選択肢の1つであるはずです」と渡辺氏は強調する。
一方で難しいのは、CO2排出量を削減するために必要なコストを「だれが、どのように負担するのか」という根本的な課題だ。「ぎりぎりの状況で競争している現状では、環境問題への取り組みとそれにかかるコストすべてをメーカーサイドで負担していくことは容易ではありません」(渡辺氏)。
今後、さらにモーダルシフトに弾みをつけるためにも、現実に即した経済的な裏付けが必要になるのは間違いない。その状況の下で、いかに“最適解”を求めて取り組んでいくかが、富士通をはじめとして、すべての企業に求められるだろう。
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