
欧州では1社だけでなく、業界で生物多様性のガイドラインを作る動きも盛んだ。その好例が、リオ・ティントやアングロ・アメリカ、三菱マテリアルなど鉱山を持つ資源大手16社が加盟するICMM(国際金属・鉱業評議会)である。
持続可能な開発のための枠組みとしてまず、2003年5月に10の基本原則を発表。そのうちの1つに、「生物多様性保全と土地利用」がある。同年8月には業界として世界遺産地域で鉱山開発を行わないと宣言した。
そして2006年には、「鉱業と生物多様性におけるグッド・プラクティスのためのガイダンス」を発行した。これは鉱山開発のプロジェクト開発、採掘時、閉山後に行うべき調査やチェック項目をまとめたもので、「各企業が生物多様性を保全するためのツールに使える」と、ICMM事務局のアンナ・マリ・フルーリー氏は言う。
例えば採掘時には、爆砕や冶金処理などの各工程で、陸上、水域、大気、社会のどの部分にどれだけの負荷がかかるか調査すべき項目を示している。オフセットの方法についても具体的な事例を入れて解説している。「ICMMに参加していない鉱山会社にとっても参考になる。統一した基準や手法を持つことで、業界全体の鉱山開発の質が保たれる」(フルーリー氏)。業界の生物多様性配慮のイメージが浸透すれば、鉱山会社にとってもビジネスの機会が広がる。

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