セメント/廃棄物の受け入れで原単位悪化 業界別 温暖化対策通信簿(第7回)

昨年度、目標を基準年比3.8%減と明確にした。廃棄物の受け入れで循環型社会の構築に貢献するが、原単位悪化の要因にもなっている。

公共事業減少のあおりを受けセメントの国内生産量は、1996年度をピークに減少している。2006年度の生産量は7万3069tで、90年度比2割強の減少。セメント各社は厳しい経営環境に置かれている。
昨年度、セメント協会は、セメント製造用エネルギー原単位(単位はMJ/t-セメント、以下、単位は省略)の目標を変更した。それまで2010年度のエネルギー原単位を90年度 比で3%程度低減としていたのを、2008~12年度の平均値で3.8%低減すると明確にしたのだ。
原単位の新しい目標値は3451。2006年度の実績値である3478より厳しいとはいえ、2003~05年度の実績値を下回る。その意味では甘い目標値ともいえる。だが、この水準にとどめた背景にはセメント業界が抱える構造的な問題がある。
セメント業界のエネルギー原単位は、エネルギー消費量を分子に、セメント生産量を分母にして求める。2006年度、セメント業界は約3090万tの廃棄物・副産物を受け入れた。廃棄物の受け入れ量の増加はエネルギー消費量を押し上げ、原単位の悪化要因になる。特に近年は下水汚泥など乾燥工程にエネルギーを多量に使う処理困難物の受け入れが増えている。
セメント協会の細谷俊夫生産・環境部門統括リーダーは、「セメント業界は循環型社会の形成に協力すればするほど、エネルギー原単位が悪くなるのが悩み」と話す。この背景には有価で引き受ける廃棄物が、セメント各社の収入源になっているとの事情がある。処理が難しい廃棄物の受け入れが増えるのも、それだけ引き受け単価が高いからだ。

●セメント業界の目標指標の推移
2007年度に目標年のエネルギー原単位を基準年比3.8%減の3451に明確化した。この数値は2006年度の実績よりも厳しいが、2003~05年度の実績を下回る
注:目標年は2008~12年度の5年間の平均値
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