普及前夜の燃料電池(第3回)老舗ダイムラーは普及に本腰

文・写真/川端由美・自動車ジャーナリスト
ダイムラーは企業買収で開発力を強化。2015年までに量産するGMは、100台の市場導入を発表したが、予定通りに進んでない。
ダイムラーは、昨年11月8日、オートモーティブ・フュエルセル・カンパニー社を会社化すると発表した。同社は元々、カナダ・バラード社とフォード・モーター、そしてダイムラーの合弁による自動車用燃料電池の開発会社だった。今回、ダイムラーが株式の50.1%を取得し、バラード内にあった自動車用燃料電池の開発部門はオートモーティブ社に移動する。残りの株式のうち30%はフォードが所有し、バラードは研究開発部門の人材と知的財産を投資する形になる。将来的には、ダイムラーはバラードが所有する株をすべて取得する予定。
その背景には、同じ燃料電池とはいえ、自動車用燃料電池の開発は非常に特殊であり、バラード社が得意とする定置型燃料電池とは応用面でノウハウが異なることが挙げられる。燃料電池の基礎技術を蓄積するバラード社の役割は終わり、自動車に応用する段階に進んだことで自動車メーカー側のノウハウが重要になってきたといえそうだ。
実際、燃料電池車の開発初期には、多くの自動車メーカーがバラード社から燃料電池スタックの供与を受けたが、現在、ほとんどのメーカーが自社製スタックを開発している。

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