第1約束期間スタート 歩み始めた京都議定書(前編)
文/馬場未希、相馬隆宏(日経エコロジー)

京都議定書の誕生から10年。第1約束期間が始まった。
机上で描いた理想ではなく、取り組むべき現実になった。
世界はいまだ定めの無い2013年以降の枠組みを模索。
日本では、今後5年でなすべき対策の積み上げが収束に向かう。
2008年4月から始まる第1約束期間を目前にし、日本国内では京都議定書目標達成計画の見直しが大詰めを迎えている。
対策強化で4000万t強を削減
経済産業大臣の諮問機関である産業構造審議会と環境大臣の諮問機関である中央環境審議会は2007年12月14日、京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する最終報告の素案をとりまとめた。京都議定書で義務づけられた基準年比6%という温暖化ガスの削減目標は、この計画を基に達成を目指すことになる。
政府の推計では、2010年度の温暖化ガス排出量がCO2換算で12億7300万~12億8700万tになり、基準年とする1990年比6%減の目標値11億8600万tを大きく超える。京都メカニズムの活用と森林吸収で計画通り削減できたとしても、2000万~3400万tが不足する。素案には、これを削減するための追加対策などを盛り込んだ。
●2007年度に自主行動計画の目標を引き上げた18業界

*1:1990 年度比。日本チェーンドラッグストア協会は2004 年度比、日本アルミニウム協会と日本伸銅協会は1995 年度比 *2:光ファイバー。ほかにメタルもある
一部の項目を除いて、各対策の削減効果を数値で明示した。例えば、日本経団連の自主行動計画の推進で1800万t(経済産業省所管業種分)、クールビズや省エネ製品の選択などの国民運動で678万~1050万t、中小企業の排出削減対策を推進する国内CDM(クリーン開発メカニズム)制度の導入で182万tを削減する。
これらの対策の削減効果を単純に積み上げると3908万9000~4282万7000tになり不足分を上回る。これに、今回、効果が示されなかった運輸部門関連の対策などが加わることを考えると、6%の削減目標を達成できる可能性は高そうに見えるが、楽観視はできない。というのも、提示された効果にはほかの対策と重複する部分が含まれているからだ。
「国民運動はほかの施策を後押しするもので、削減効果の大部分が重複になる」(環境省幹部)
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