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工学博士 渡辺 千賀恵氏(前編)新たな潮流続々、レンタサイクルの魅力再発見

2008年2月29日

●日本人が最初に自分で運転する乗り物といえば、おそらく自転車だろう。特別な技術や免許証がなくても乗ることができ、ごく一般的な自転車であれば1~2万円で手に入れられる、非常に身近な乗り物である。
●社団法人自転車協会の調査を基にした、財団法人自転車産業振興協会の「都道府県別自転車保有台数」の統計資料によれば、自転車の保有台数は右肩上がりで伸びている。2006年には7200万台近くに達し、1人1台とすれば、国民の約6割が保有している計算になる。
●これだけの台数が出回れば問題も発生する。駅前の駐輪場は常に満杯。周辺には放置自転車があふれ、乗り捨てられた自転車が朽ちた姿をさらす。2006年度に東京都市区町村が撤去した放置自転車は90万9000台。そのうち、引き取り手がなく処分されたのは約半数の42万2000台に上る。しかしこの処分率はまだいい方で、放置自転車の9割が処分されている地域もあるという。本当に6割もの国民が自転車を持つ必要があるのだろうか。
●そこで注目したいのがレンタサイクルだ。“観光用”のイメージが強いかもしれないが、通勤や得意先回り、買い物など日常生活で利用できるサービスもあり、最近では都心部を中心にこのタイプの事業者が増えつつある。主なメリットは通勤利用なら駐輪場所を探す心配がないこと、それ以外なら必要なときだけ乗れること。複数人で自転車を共用すれば自転車を無駄なく活用できるので、環境にも優しい。
●となれば、都市の交通インフラとして普及に期待したいところだが、現状はまだ“いつでも”“どこでも”利用できる状況には至っていない。課題はどこにあるのだろうか。自転車交通計画を専門とする、九州東海大学(4月1日から統合により東海大学に名称変更)教授の渡辺千賀恵氏に話を聞いた。

聞き手/土屋 泰一、林 愛子 文/林 愛子 写真/山田 哲也

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