風を得ることはタダでも
発電にはコストがかかる!

日本海に面した「夕陽ヶ丘ウインドファーム・風来望」には町営の風力発電機3基が並ぶ。
苫前町には現在、町営の風力発電機3基と、民営の風力発電機39基が建っている。最初に建設したのは「夕陽ヶ丘ウインドファーム・風来望」と名づけられた丘にそびえる町営風力発電機で、1998年12月に完成した。風況調査から2年後、着工から1年後のことである。
その後、町営の発電機は毎年1基ずつ建てられ、2001年1月に全体計画が完了。なお、後述するが民営の風力発電機もほぼ同時進行で工事が進められ、2000年11月に完成している。
いずれも工事期間中に微調整があったものの、ほぼ計画通りに建設が進み、今日も日本海からの風を受けて発電している。森氏は、苫前町がこれまで事業として継続してこられた最大の理由は「採算性にこだわってきたこと」だと言う。
「民間企業と違って利益を得ることが目的ではありませんが、公費を投じる以上、赤字にするわけにはいきません。風力発電機のイメージが良いからといって、事業という視点を持たずに“シンボル”として建ててもうまくいかないんです」と森氏は強調する。

苫前町企画振興課まちおこし係主任技師
苫前夕陽ヶ丘風力発電所電気主任技術者 高田 和彦氏
町営3基に要した総事業費は約7億円。これには風力発電機や送受電設備、ライトアップ設備、航空障害燈、工事費などが含まれる。
年間予算約40億円の苫前町にとって、7億円は非常に大きな負担だ。計画段階では価格の安い小型の発電機を設置することも検討されたが、政府の支援制度を活用することで、600~1000kWの発電機でも採算が取れる見込みが立った。具体的には、建設地を決定するための風況調査では旧通商産業省とNEDOから一部費用の、風力発電機の建設にはNEDOから建設費の2分の1以内の補助金交付を受けている。
苫前町が設置したのはデンマーク製の風力発電機だ。採用の背景を、同町の企画振興課まちおこし係主任技師の高田和彦氏はこう解説する。
「今は国産の風力発電機も製造されていますが、当時の日本には風力発電の市場がなく、国産だとほぼオーダーメードという状況で、非常に価格が高かったのです。発電機が量産体制にあったのはデンマークなど欧州の国々で、コストを考えると選択肢は限られていました」(高田氏)。
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