ここまでわかった!地球温暖化の現実 (第4回)
地球温暖化問題には様々な懐疑論が渦巻いている。「人為CO2説」もその1つ。真犯人として太陽活動や宇宙線による雲の効果、海の循環が提案されているが、定量化が難しく、今は状況証拠しか出せていない。
取材・文/日経エコロジー
「地球温暖化にとって人為CO2は大関クラスの原因で、他に横綱クラスの原因があるのではないか」─。IPCC第4次評価報告書の雪氷の章に自らも執筆者として参加した国立極地研究所の藤井理行所長は、そっとこう打ち明ける。
「本当に温暖化しているのか」「人為CO2は主犯なのか」。温暖化問題にはこうした懐疑論が根強くつきまとう。素人が感じる初歩的な疑問から、科学者が論争する本質的な疑問まである。ここではそうした懐疑論を整理し、最先端の科学がどこまで解明したのかに迫ってみよう。

●様々な「懐疑論」
代表的な懐疑論をまとめたのが、上のチェックリストだ。1番目の「地球は本当に温暖化しているか」は、地球の平均気温は全球で偏らないように観測した値から算出しており、ヒートアイランドの効果も陸上で10年間に0.006℃未満とわかっている。
2番目の「温暖化は異常な速度で進んでいるか」は、地球史上(46億年)、人類史上(600万年)、文明史上(日本では縄文時代以降の約1万2000年)で見方が変わる。
約1万2000年前に地球は氷期から間氷期に移り、一気に8℃暖かくなった。氷期にはわずか20~30年で5~7℃の温暖化が20数回も起きている。この速度は現在よりも大きい。
間氷期に入ると気温は安定したが、それでも下図のように何度も変動している。奈良時代や平安時代は「中世の温暖期」と呼ばれて暖かかった一方、1600年ごろは「小氷期」で英テムズ川が凍ったりした。地球の気温はこのくらい変動してきたのである。

●縄文時代以降の気温
出所/国立極地研究所と東北大学の分析によるデータ
とはいえ、近代化してからの世界で見れば、現在のような温暖化は異例だといえる。IPCCによれば、「20世紀後半の北半球の平均気温は、過去500年間のどの50年間よりも高く、過去1300年間で最も高かった可能性が高い」と結論付けている。
3番目の「CO2分子のエネルギー吸収」については、仮に地表から放出された赤外線のうちCO2によって吸収されるべき波長がすべて吸収されても、CO2分子は吸収した赤外線を再び放出し、別のCO2分子がその赤外線を吸収することを繰り返す。吸収・放出を繰り返すたびに上向きだけでなく下向きにも赤外線が放出され、地表に到達する赤外線は増え、地表をどんどん暖める。
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