2006年の国内における太陽電池の出荷量は、2005年に比べて1.4%減少した。前年の実績を割ったのは、1997年に住宅への設置補助制度が始まって以来、初めてのことだ。
風力発電設備の新設容量に関しては、既に2005年度に前年度の水準を下回った。2004年度の24万9000kWに比べ、2005年度は15万1000kWと約40%も減った。新設容量が前年度を下回ったのも、風力発電が国内に本格的に普及し始めた98年度以降、初めてだ。
太陽電池の設置が頭打ちになった理由は、2005年に住宅用の補助制度が終了した一方、世界的に太陽電池の需要が高まって供給が不足し、販売価格が下げ止まっているからだ。
現在、太陽電池システム1kW 当たりの価格は約60万円。この初期投資を1kWh 当たり23~24円で売電して投下資金を回収するには約20年かかる。この程度の経済性で、今以上に需要を伸ばすには、何らかの政策的な支援が不可欠だ。
風力発電に関しては、管内に風力発電の適地が多い東北電力と北海道電力、九州電力などが、年度ごとに導入する容量を決め、入札や抽選で設置事業者を選定する方式のため、急速な伸びが期待できない状況だ。
導入量を制限しているのは、不定期に発電する風力発電の電力を系統(電力会社の送電網)に大量に受け入れた場合、電圧や周波数などが乱れる恐れがあるからだ。
RPS法見直しの効果は?
経済産業省は、風力発電系統連系対策小委員会を設置して、この問題を議論しているが、系統を強化するには数千億円の費用がかかるとされ、いまだに対策の行方は見えない。
加えて、発電コストを下げるために風車の大型化が進み、内陸に運搬し、設置するのが物理的に難しくなってきた。現在の主流は出力2000kW規模になりつつあり、羽根(ブレード)1枚の長さは40m以上にもなっており、狭い道は通れない。
高さが80mを超える大型風車が及ぼす野鳥や景観への影響を問題視する声も、年々高まっている。

Jパワー(電源開発)が今年1月に福島県郡山市に設置した日本最大のウインドファーム
一方、追い風もある。電力会社に新エネルギーの電力の購入を義務付ける新エネ電気利用法(RPS法)が2007年3月に見直され、2014年度の導入目標量が2010年度に比べ31%増やされた。新しい目標量の前提になったのが、下の表の導入可能量だ。

注:単位は億kWh
出所: 経済産業省・総合エネルギー調査会・RPS法小委員会の資料
それによると、太陽光発電は2014年度に2005年度実績の約3.4倍、風力発電は約4倍に増えることになる。太陽光発電の数値は、毎年、現在とほぼ同量で伸びるのが前提で、その場合、太陽電池市場は横ばいにとどまることになる。また、風力発電に関しては、部分的に系統連系対策が実施されることを前提にしている。
RPS 法の導入目標が増えた効果は、「今の市場の規模をギリギリで維持できる水準」(新エネルギー事業の経営者)というのが実態で、これによって市場が飛躍的に拡大することはなさそうだ。
ただ、太陽光発電に関しては2007年3月、東京都が今後10年間で約100万kWを導入することを目標に補助制度を創設すると表明した。米カリフォルニア州のように自治体が主導して、太陽電池市場が拡大する可能性も出てきた。
(2007年5月18日掲載予定の第2回に続く)

上記の記事「立ち上がる巨大市場で地力発揮する日本企業 太陽と風で飛躍せよ!(第1回)」は、『日経エコロジー』2007年5月号に掲載された特集です。なお、記事中に記載した内容については、『日経エコロジー』2007年5月号掲載時の内容となっております。
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