交通渋滞緩和から環境対策へ、新たなフェーズに突入
通勤者向けのKパーク、および観光客向けのパーク&ライドは、市街地の交通渋滞緩和を目的とした交通政策の1つとして行われている。そのほかの交通渋滞対策としては、金沢市を取り巻く外環状道路の整備も進められており、南部から東部を通過して北部に至るルートが2006年(平成18年)4月に全線開通した。それによって市街地を通過するクルマが減少し、市内の交通渋滞はかなり緩和されたという。なお、Kパーク指定駐車場はこの外環状道路の内側に位置する。
同じ昨年4月には「駐車場適正配置条例」が施行された。この条例は、自家用車専用駐車場や4台以下の小型駐車場以外の駐車場を新設・変更する場合は、金沢市への届出を必要とし、交通渋滞緩和や歩行者の安全確保といった観点から不適合と判断される場合は、「助言」または「指導を行う」という内容のものである。また、条例ではパーク&ライドを公共交通の利用を促す施策として位置づけており、2006年(平成18年)10月には「パーク・アンド・ライド駐車場配置基本指針」が定められている。
なぜ、こうした条例が施行されたのかというと、それにはクルマの利用者と駐車場の比較的複雑な関係が背景にある。具体的に説明すると──金沢市の中心部には兼六園のそばに大型駐車場があるほか、地下駐車場の整備なども進められているが、実は市内における駐車場そのものは決して多くない。
「駐車場が少ないから、いわゆる駐車場待ちのクルマが路上に停車していることで交通渋滞が引き起こされるのか、それとも駐車場が豊富だから郊外などからのクルマの流入量が増えて結果的に交通渋滞になってしまうのか、ここは議論の分かれるところです。市でも何度も議論が交わされてきましたが、現在は『駐車場を増設しない』というスタンスで、クルマの過度な流入を抑制する方向で動いています」(浅川氏)という訳だ。
金沢市ではこうした多角的な交通政策を進めたことで、市街地における交通渋滞は確実に解消へと向かっており、その結果、元々パーク&ライドの特徴だった「利用者にとって時間的・金銭的なメリットのある仕組み」ではなくなりつつある。
そこで金沢市ではパーク&ライド利用をさらに促す新たな訴求点を打ち出すことを考えている。その際、今後、大きなポイントになるのはやはり「環境対策」「環境負荷の軽減」だとしている。自家用車(クルマ)から鉄道やバスなどの公共交通へ乗り換えることで、二酸化炭素の排出量を減らすことができるのは間違いないからだ。この点、現在、パーク&ライドを利用している市民の意識はどうなのか。
「ゴールデンウィーク期における利用者アンケートでも、Kパークの利用者アンケートでも『環境に優しいからパーク&ライドを続けてほしい』という意見が出始めていますから、少しずつ環境に対する問題意識は高まっていると思います」と浅川氏は語る。ただ実際のところ、どの程度、市民の環境意識が高まっているのかになると、まだそれほどではないのではという見方だ。
「金沢市の交通戦略でも“環境”が重要項目に掲げられていますから、今後は市民へのPR活動としてどんどん“環境”を謳っていきたいですね」(浅川氏)。
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