準備期間に約8年、通勤者向け「Kパーク」導入までの歩み
ゴールデンウィーク期のパーク&ライドを初めて実施した翌年の1989年(平成元年)、石川県や金沢市などが主体となって「金沢市パーク・アンド・ライド研究会」が発足する。
同研究会は、金沢市を中心に白山市や野々市町など周辺市町を含めた、いわゆる“金沢都市圏”における通勤時の交通渋滞を緩和させるために、金沢市街地へのクルマの流入を抑制するパーク&ライドシステム「Kパーク」を導入することを目的に設立されたものだ。
既にゴールデンウィーク期において観光客向けではパーク&ライドの実績があるとはいっても、Kパークは通勤者を対象に恒常的な利用を促すものだけに、全く異なる考え方や取り組み方法などが求められる。そこで同研究会では1992年度(平成4年度)に5日間、93年度(平成5年度)に3日間の試行実験を行い、それぞれ利用者へのアンケートや複数地点での交通量調査などを実施した。
それらの結果から、通勤者を対象としたパーク&ライドも市内の交通渋滞緩和に有効と認められ、94年~95年度(平成6~7年度)で本格的な導入に向けた実施計画案が検討された。そして、いよいよ96年(平成8年)11月に、パイロットシステムという位置づけでKパークの運用がスタート。それから現在まで、10年以上にわたってKパークは継続して運用されている。
「Kパークの特徴は、既存の商業施設等の駐車場を利用することにあります。郊外のスーパーマーケットは大型の駐車場を併設していますが、平日の利用はそう多くありません。通勤者のパーク&ライド利用は平日ですから、その空いているスペースを借りられないかというわけです。これは研究会の発足当初から考えられていたことでした」と浅川氏は語る。
Kパークの運営母体である「金沢都市圏パーク・アンド・ライドシステム実施協議会」(事務局は金沢市交通政策課)にとっては駐車場を新設し、それらを独自に維持管理するよりも、金銭的な負担が軽く持続的な運営が可能になる。

Kパーク指定駐車場にはこのような看板が設置される。写真はバロー金沢高尾店の駐車場
また月々の駐車場代金は、実際の利用者がその商業施設の商品券3000円分を購入するという仕組みにした。利用者はそれで買い物をすれば事実上無料だし、駐車場を提供する商業施設側には売り上げアップというメリットがある。なお、商業施設以外のKパーク指定駐車場には、北陸鉄道額住宅前駅、北陸鉄道南部車庫、泉野総合体育館があるが、これらの駐車場は商品券を購入しなくとも利用できる。
現在、Kパークの指定駐車場は6カ所ある。いずれも「バス停や駅に近い」「通勤時のバス運行本数が多く、最終バスが遅い時間まである」など、利用者にとって利便性が高いという共通項がある。これは同協議会が駐車場選定時にこだわったポイントで、既存の駐車場なら何でもよいというわけではなかった。利用者にとっては利便性が高いが、金銭的な負担は多くない――このあたりが10年以上にわたってKパークが続いている理由ではないだろうか。
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