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課題は大きく3点ある。第1が、熱量を計量するための積算熱量計が非常に高価なことだ。証書を取引するためには、計量法の認定を受けた計器が必要。太陽光発電の計量法認定の発電量計も高いが、熱量計はさらに高い。設備全体の価格が太陽電池に比べてかなり安いため、計器の占める割合は太陽熱の方が大きい。

第2は、測定ルールが定まっていないこと。太陽熱の熱量の測定方法は研究論文などで複数の提案があるものの、公に定まったものはない。第3は、システム構成によっては正確に熱量を計れない場合があること。太陽熱温水器の熱量計は、太陽熱で温まった温水量を測定する流量計と温度センサーで構成するが、流量計の測定値に誤差が出やすいという。

グリーン熱証書の課題

●グリーン熱証書の課題
グリーン熱証書の流通は前例がほとんどないため、発熱量の測定方法などに課題が残る

だが東京都は、課題解決を待たずに助成策を始める。「太陽熱利用設備は太陽電池より安価な設備で高い省エネ効果が得られるため、普及させたい。熱量を確定できない方式の設備からのクレジットも、推定値で買い取る方針だ」(小原課長)。熱量が確定できないクレジットは証書にしても企業に売却できないため、東京都の温暖化対策として、イベント運営などで利用したとみなすという。

2年間で4万世帯という導入目標は、これまでの5倍のハイペースだ。メーカーの供給が追いつかなかったり、手抜き工事が出る懸念もある。都はメーカーや販売、施工業者などを集めた連絡会議を設置して、環境整備も進める。ディーゼル排ガス規制など、革新的な環境政策を打ち出し、結果を出してきた東京都。普及が停滞している太陽光利用設備でも、大きな成果を出せるか、注目したい。


日経エコロジー(2008年11月号)
日経エコロジー(2008年11月号)より

 上記の記事「第36回 東京都が太陽光設備の大型助成 クレジットを売却し資金を確保」は、『日経エコロジー』2008年11月号に掲載されたリポートです。なお、記事中に記載した内容については、『日経エコロジー』2008年11月号掲載時の内容となっております。
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