200年後を見越して木を植える
伊勢神宮の持続可能な取り組み
かつて国を挙げて行われた儀式は、1300年の歴史の中で一時的に中断したり、資材不足で変化せざるを得ない部分もあった。時代の流れの中で失われた技術もある。
また、新たに取り入れられた制度もあった。例えば遷宮用の檜を育成する「200年計画(※)」は、資材不足が危惧された大正時代に発案された。200年後の子孫に式年遷宮が行えるような環境を残すために、いまでも植樹や森林管理が続けられているという。

1回の遷宮に使用する檜材は約1万数千本にものぼる。遷宮当初は神宮林で賄っていたが、現在は木曾の檜を使用している。将来の用材不足を憂慮して、明治天皇は神宮備林に植樹を始める200年計画を打ち出した
※ 正式名称は「神宮森林経営計画」。遷宮用材を、再び内宮と外宮背後の山(神宮林)から自給することを目指して大正時代に立案された計画。檜の植樹から育成を200年計画で続けている。2013年の第62回式年遷宮では、その一部を使用する予定だ
また伊勢神宮の用材は、20年を過ぎたものでも十分使用できる良質の檜材として有効活用される。五十鈴川に架かる宇治橋の両端に立つ鳥居は、遷宮後の神殿の棟持柱が再利用されている。また、伊勢神宮の摂社、末社の建て替えだけでなく、ほかの神社の用材にもリサイクルされるという。身近な神社に、かつて伊勢神宮だった檜材が使用されているかもしれない。

遷宮の4年前に架け替えられる宇治橋。橋の外側に外宮の用材、内側に内宮の用材を使用する
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