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何故いま伊勢神宮の式年遷宮なのか――?

「一生に一度はお伊勢さん」「日本人のこころのふるさと」などと評される三重県の伊勢神宮(正式名称は「神宮」)。その起源は約2000年前にさかのぼる。皇女倭姫命(ヤマトヒメノミコト)が天照大御神の鎮座する地を求め旅した末に、伊勢の地にたどり着いたことに端を発する。

それから700年を経た飛鳥時代、伊勢神宮では20年に一度の「式年遷宮」が定められた。

式年遷宮とは、社殿に隣接するほぼ同じ広さの敷地に、全く同じ形の社殿を新たに建て直す。さらに奉納されている神宝や装束もすべて一新するという儀式である。

式年遷宮は天武天皇が発案し、690年に持統天皇が第1回式年遷宮を催行してから現在までに約1300年間。2013年に第62回を迎える。そこには「永続的に続けることができる環境を、後の時代まで維持してゆく」という持続可能性の追求が根底に存在する。

例えば、社殿を造り替える際に使用する大量の資材は、無為に消費すれば環境破壊にもつながりかねない。1回の遷宮に必要な用材は約1万数千本にのぼるという。しかも樹齢400年近い大木も必要とするのだから、意識的に後の世代へ残していく努力をしなければ、続けることは困難だろう。

式年遷宮を続けるためには、遷宮という行為そのものだけではなく、遷宮を可能にする環境を存続させることも大切だ。我々の生活も、自然資源があってこそ成り立っている。人間の営みを続けるためには活動を可能にするだけの自然環境が必要なのである。

20年に一度社殿を造り替えながら将来に残す――1300年間続いてきた神宮の営みは、いま我々が直面している環境問題で取り組む必要のある、持続可能な社会を実現するヒントになるのではないだろうか。

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