最低限の梱包なのに安全性も高い
“ありそうでなかった”画期的な箱
このリユース可能な環境配慮型「輸送梱包箱」について、今後、日本郵便では様々な展開を検討している。
中でも実現可能性が高いのは、精密機械の修理品等の回収物流における導入だ。先にも触れた通り、精密機器は故障を防ぐため、つい過剰梱包になりがちだ。特に法人ユースでは、例えば20kgの機器に対して40kgもの梱包材を使うこともあれば、梱包の“プロ”でなければできない特殊な技術が必要とされるケースもある。
「輸送業者にしてみると、重量が増えるほど輸送費も取れるわけです。しかし、それでは一体、何のための梱包だか分かりません」と原氏は疑問を呈する。一方、出荷する顧客の側の意識にも問題がある。具体的には保険と同じような感覚で、厳重に梱包するほど「大切に扱われている」という意識が生まれてしまうのだ。
「この輸送梱包箱が画期的なのは、最低・最小限の重さと強度を持っていること」と原氏は言う。
「軽ければ輸送に使うエネルギーも少なくて済むし、挟むだけで誰にでも簡単にできるので手間も掛かりません。余計な緩衝材もいらない。きちんと梱包されていることが一目で分かるから、お客様にも安心していただけます。これは、これまで“ありそうでなかった”ものなんです」(原氏)と自信を見せる。
実際、そうしたニーズは高く、既に数社から「自社製品のサイズに合わせた箱を用意してほしい」といった問い合わせや依頼が来ている。法人ユースではサイズ調整だけでなく、箱に取っ手を付けたり、ICタグを付けて追跡・在庫管理といった機能の組み込みなど、様々なカスタマイズが可能だ。CO2の削減量も測定できる。
法人向けのサービスとしてはもう1つ、今年7月1日に山九と共同出資して設立した国際物流会社「JPサンキュウグローバルロジスティクス」での導入も検討中だ。

箱のふたには伝票が入るビニールポケットと、伝票や壊れものシールなどを貼っても簡単にはがせるシートが付いている。本体は古紙60%配合で通常の段ボールの約5倍、ベニヤ板程度の強度。撥水性・耐水性にも優れている。法人向けにはICタグなどを付けることも可能
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