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第28回 カーボンオフセット商品が続々 排出枠を低価格で“ばら売り”[温暖化対策]

2008年6月20日

文/相馬隆宏(日経エコロジー)


消費者がCO2の排出抑制に貢献できるカーボンオフセット商品の発売が相次いでいる。エコバッグ、旅行商品、投資信託、菓子など、商品分野も急速に広がってきた。一方、市場の拡大には課題も残る。


ローソンは今年4月、「CO2オフセット運動」を開始した。消費者に代わって温暖化ガスの排出枠を調達し、後から任意で費用を徴収する。ポイントカード会員向けに、買い物でためたポイントを排出枠の調達費用に充てられる特典を提供するほか、現金での支払いも受け付ける。

現金の場合は、CO2換算で「200kg 」「500kg 」「1t 」の3種類の商品を用意し、価格は1050~4500円。約8500店ある全店舗に設置した情報端末「Loppi (ロッピー)」で申し込む。およそ1週間後に、排出枠の識別番号が入った証明書が送られてくる。

取り組み開始から1週間で、合計583人が101t 分の削減に貢献しており、手応えを感じている。

ローソン店内に設置してある情報端末「Loppi 」で消費者は温暖化防止に手軽に貢献できる

カーボンオフセットは、日常生活や経済活動で排出した温暖化ガスを、排出枠の調達や再生可能エネルギーによる発電(グリーン電力)などに投資することで埋め合わせる(オフセット)という考え方。欧米では取り組みが活発になっている。日本では今年に入り、エコバッグや旅行商品、菓子など、商品価格に排出枠の調達費用などを含めたカーボンオフセット商品が続々と登場した。

温暖化ガスの削減費用を大人数で分担する“ばら売り”によって、消費者は数百円程度から温暖化防止に貢献できる。一方、企業が説明通りに資金を充てているか消費者は疑念を抱きかねず、普及には課題を残す。海外では、消費者から資金を調達していながら、温暖化ガスの削減に結び付かなかった事例もあるという。

そうした背景から環境省は今年2月、企業向けの指針を取りまとめた。第三者機関の認定を受けるなどして信頼性を構築するよう定めている。

ローソンCSR推進ステーションディレクターの篠崎良夫執行役員は、「カーボンオフセットはまがい物が出るのが一番危ない」と警鐘を鳴らす。同社は、京都議定書が定めるCDM(クリーン開発メカニズム)から発行される排出枠(CER )を調達し、しかも日本政府に譲渡して国の削減量として計上した状態で費用を徴収する。

今年5月から、旅行中に排出するCO2の全量か一部をCERの調達で埋め合わせる修学旅行のプログラムを提案する近畿日本ツーリストも、信頼性の確保を最優先する。排出量の算出やCERの調達はリサイクルワン(東京都渋谷区)に委託し、算出根拠や調達内容を開示する方針だ。

古紙配合率の偽装問題で環境配慮商品を見る目は厳しくなっている。消費者が納得する商品を提供できるかどうか企画開発力が問われる。


日経エコロジー(2008年6月号)
日経エコロジー(2008年6月号)より

 上記の記事「カーボンオフセット商品が続々 排出枠を低価格で“ばら売り”」は、『日経エコロジー』2008年6月号に掲載された特集です。なお、記事中に記載した内容については、『日経エコロジー』2008年6月号掲載時の内容となっております。
 『日経エコロジー』は環境経営やCSR(企業の社会的責任)推進体制の構築、ISO14000の導入・運用を担当される方々に向けた、月刊ビジネス誌です。
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