バリの温暖化防止会議を盛り上げる環境NGO お祭りムードを盛り上げつつ強烈なプレッシャーも
取材・文・写真/馬場未希(日経エコロジー)
鴨下環境大臣が歌い始めた「ハッピー・バースデー」
12月11日は誰の誕生日かご存知だろうか――。鴨下一郎環境大臣はインドネシアのバリまで出向き、その10歳の誕生日を祝った。
高さ150cmもある大きなケーキは、環境NGO(非政府組織)のグリーンピースが準備したもの。ロウソクに火が点ると鴨下大臣は「ハッピー・バースデー」を歌い始め、つられて周りの関係者たちの大合唱が始まった。その晩、日本のNGOが開催した誕生記念セレモニーには、鴨下大臣だけでなく潘基文(バン・キムン)国連事務総長も出席した。

鴨下大臣は、NGOが用意した京都議定書の誕生日ケーキにナイフを“入刀”
実は、10歳の誕生日をそんなVIPたちに祝ってもらったのは、人ではなく「京都議定書」という国際的な枠組み。バリで開催中の温暖化防止会議、「国連気候変動条約」の締約国会議(COP13)の会場での一幕だ。京都議定書は1997年12月11日、京都で開いた締約国会議(COP3)で策定された。鴨下大臣は記念式典で、「京都議定書はまだ子ども。大きく育て上げねばならない」とスピーチした。
さて、バリではこの京都議定書“後”を巡って、各国政府が猛烈な神経戦を繰り広げている。京都議定書は来年から2012年までの温暖化対策について定めているが、2013年以降、国際的にどのようにして温暖化防止を進めていくかは決まっていない。その2013年以降の取り組みをどうやって決めていくかが、バリ会議の最大のテーマだった。
ところが、温暖化ガスを現状に比べて大幅に削減しようと主張するEU(欧州連合)と、削減を拒む米国に追随する日本。そして、まず先進国が温暖化ガスを減らすべきだと主張し、自らの削減は拒む途上国。鴨下環境大臣は、「バリでの交渉が、2013年以降の取り組みにつながるように、(参加国は)しっかりと団結しなければならない」と話す。しかし、欧州委員会の関係者からは「日本と米国などがしっかりと協力しないと(温暖化防止は)困難。協力してほしい」との語気を強める。妥協点が見出せないまま、閉幕前日の13日も日が暮れて……。
事務レベルの交渉官の顔には、疲労といら立ちが色濃く浮かぶ。

京都の環境NGO・気候ネットワークを中心に、日本のNGOが開いたプールサイドでの記念式典には潘基文国連事務総長も出席
写真/UN Photo/Evan Schneider
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