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適正な森林管理は調査から
樹種・樹高・直径・密度を測る

森林調査の方法については、宮林教授と同じ森林総合学科の菅原泉准教授から説明があった。いつ、どの程度、どういった作業が必要かを見極めるための重要な調査だ。

まず、4.5mの棒を使い、持つ人の腕の長さ50cmを足した半径5m、直径10mの範囲にどんな木があるかを測定する。最後に133(1ha=10000m²を円の面積約75で割った数)を掛けて1ha当たりの本数を出す。「円形標準地法」と呼ばれる方法だ。

グループの1人が棒を持ち、腕を伸ばす。その棒より内側にある木の樹種・直径・樹高を野帳(記録用のシート)に記す。学生たちはこれまでにも大学の実習を通して樹種の見分け方を学んでいる。上級生が助言し、地元講師にも確認しながら木肌を見て判断する。

直径は、「胸高周囲」という測定者の胸の高さの周囲(一般的には1.2m)を円周率で割って求める。胸高周囲が60cmなら、およそ20cm。本来は林尺という専用の道具を使うが、今回は普通の巻尺で代用した。最初の1本目に目印を付け、重複しないよう正確に1周する。樹高は計測に時間がかかるため、目測で大・中・小2本ずつ選び、計6本のみとした。

棒を持つ人と胸高周囲を測る人は誤差が出ないよう1人ずつ担当。棒は必ず水平に保ち(写真左)、胸高周囲は斜面の山側に立って測る(写真右)。環境省では胸高直径が3m以上を巨木、5m以上を巨樹と定義している

棒を持つ人と胸高周囲を測る人は誤差が出ないよう1人ずつ担当。棒は必ず水平に保ち(写真左)、胸高周囲は斜面の山側に立って測る(写真右)。環境省では胸高直径が3m以上を巨木、5m以上を巨樹と定義している

測竿(目盛りの付いたスライド式の棒)を伸ばし、樹高を測る中村文明さん(写真左)と菅原泉准教授(写真右)

測竿(目盛りの付いたスライド式の棒)を伸ばし、樹高を測る中村文明さん(写真左)と菅原泉准教授(写真右)

最近ではレーザー式の測高器もある。最初に3m(機種によって異なる)離れた地点を器械に認識さ、三角測量の原理に基づき底辺とその両端の角度から計算した数値が表示されるせ、木の頂点を記録すると

最近ではレーザー式の測高器もある。最初に3m(機種によって異なる)離れた地点を器械に認識さ、三角測量の原理に基づき底辺とその両端の角度から計算した数値が表示される

続いて、野帳のデータを基にどの程度、間伐するかを決める。森林は、平均樹高と密度に一定の相関関係がある。これをまとめた「林分密度管理図」とデータを使って適切な密度を求め、それに沿って木を切っていく。

1ha当たりの本数と、平均樹高を示す曲線の交点から、適切な密度を求める。ただし、あくまで目安なので、計算して出した数字に土地所有者の意向や土地の条件を勘案して決定することが大切だ。

所有者である木下新造さんは、「商品生産林として大きく育て、長伐期に」としながらも、「保健休養的な機能を兼ねた林にしたい」と話した。そのため針葉樹と広葉樹の両方がある針広混交林を目指していたが、状態の良いヒノキが多かったため、雑木を切ってヒノキを伸ばしていく方針となった。また、地理条件として鹿倉山は雪が多いため、「中庸仕立て」よりやや隙間のある「疎仕立て」が適している。

これを踏まえ、班ごとの調査結果を1haに換算して林分密度管理図に当てはめると、今回は調査範囲当たり平均2~3本を間伐することになった。調査箇所よっては密度が高くもう少し間伐の必要な班もあったが、造林学を専門とする菅原教授や住民講師の豊富な経験を基に、実際のバランスを見ながら調整した。

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