レジ袋使用量を減らすスーパー 西友は有料化無しで50%削減へ
文/相馬 隆宏(日経エコロジー)
レジ袋を有料化するスーパーが相次ぐ中、西友が独自路線を打ち出した。有料化はせず、買い物袋を持参した客にはその場で2円値引きする。2010年には、買い物袋持参率を全店平均で50%に引き上げる。
西友は6月から、全392店舗で新しいレジ袋削減活動を開始した。破損したら何度でも新品と交換できる買い物袋を20円で販売するほか、レジ袋の使用を辞退した顧客にはその場で購入金額から2円値引きする。
活動開始後約2週間で、買い物袋持参率は27.4%まで上昇。2010年までに、この比率を50%に引き上げるのが目標だ。従来、買い物袋を持参した顧客に、スタンプを20個ためると現金で100円を還元するサービスなどを提供していたが、全店平均の買い物袋持参率は6%台にとどまっていたため、対策を見直した。
2010年までに買い物袋持参率を50%にするという目標は、イオンが掲げているものとほぼ同じ。同社は、今年1月から京都市内の1店舗でレジ袋を有料化し、買い物袋持参率が90%近くになる成果を上げている。これに対して、西友はレジ袋を有料化しないで目標を達成する考えだ。
西友CSR推進室社会環境グループの大野郁宏マネジャーは、「有料化の効果は非常に大きいが、そこに至るまでに時間がかかる。まず、すぐできることから始めて、全店の買い物袋持参率を30〜40%にする方法を選んだ」と説明する。
レジ袋を有料化すると、無料で配布する他店へ客が流れる危険がある。そのため、有料化した各社は、行政機関や消費者団体と入念に話し合いをして、協力を求めるなど事前準備に時間をかけている。全店で一気に実施するのは難しいのが実情だ。
イオンは6月から、仙台市や横浜市などの5店舗でも有料化し、16〜17%だった買い物袋持参率が75〜80%になった。さらに今秋、新たに2店舗を加える。とはいえ、全約400店舗の平均買い物袋持参率は約20%で、有料化の効果が表れるにはまだ店舗数が少な過ぎる。一方の西友は、買い物袋持参率が80%を超える店舗こそないものの、全店で活動を展開しているため、平均の買い物袋持参率はイオンをしのぐ。ただし、この数字にはからくりがある。

購入商品を「マイバッグ」に詰める買い物客(左)。西友が20円で販売するポリエチレン製の買い物袋(右)。6月以降、約12万枚を売った
西友の買い物袋持参率は、レジで2円値引きした記録に基づいた、買い物袋を持参した顧客の人数を漏れなく反映した数値。これに対してイオンの場合は、買い物袋を持参してためたスタンプを特典と交換した顧客の数を基にしており、レジ袋を断った顧客がスタンプサービスを利用していなければ対象から外れてしまう。そのため、実際の値はもっと高いとみられる。
レジ袋の削減策として多くのスーパーが活用するスタンプサービスだが、ここへ来て経営への影響が無視できなくなりつつある。従来、10〜20%程度だった買い物袋持参率が80%超になれば、特典を提供するのに必要な原資が大幅に増すためだ。
イオン環境・社会貢献部の高橋晋部長は、「レジ袋の有料化が定着すれば、スタンプサービスの経費が大きな負担になるだろう」と打ち明ける。実際、有料化した店舗では、スタンプサービスを利用する顧客が倍以上になっているという。西友は、2円の値引きを始めるのと引き換えに、スタンプサービスを廃止した。買い物袋持参率の上昇に備えて、スーパーは戦略の転換が必要になりそうだ。

上記の記事「リポート:レジ袋使用量を減らすスーパー 西友は有料化無しで50%削減へ」は、『日経エコロジー』2007年9月号に掲載された特集です。なお、記事中に記載した内容については、『日経エコロジー』2007年9月号掲載時の内容となっております。
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