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「環境価値」と「コミュニティ価値」との相関関係――実践事例、その4
株式会社チームネット
代表取締役
甲斐 徹郎 氏

街に「環境」と「コミュニティ」を再生させる

冒頭でも紹介したが、甲斐氏は株式会社チームネットの代表取締役も務める。チームネットは、環境共生住宅を専門分野とした「住まいづくり」「街づくり」のマーケティングコンサルタント業務を行う会社として、甲斐氏が1995年に設立したものだ。手がけた環境共生型住宅は数々の賞も受けている。

甲斐氏は始めに、グリーンチェーン推進ネットワークで行っている、環境価値とコミュニティ価値を創造するための設計ワークショップの紹介をした。

まず、個人個人で家を建てるときの配置プランを外環境も含めてつくってみる。その後、グリーンチェーンの考え方に基づいて、一本一本の樹木を配置することの意味をチェックしながら再度プランを構成する。そして、何人かのグループになり、みんなで相談しながら、“コモン領域”を活かしたデザインを描いてみる。

このワークショップを通じて見えてくるものは、「『自分にとっていい』を出発点にしながら、結果として快適な環境、そしてよりよい人間関係が生まれてくるデザインのあり方です」(甲斐氏)という点だ。

株式会社チームネット 代表取締役 甲斐 徹郎 氏

株式会社チームネット 代表取締役 甲斐 徹郎 氏

甲斐氏は次に、コーポラティブ住宅16棟107軒の住民への意識調査の結果を紹介し、「環境価値」と「コミュニティ価値」とは相関関係があることを指摘した。

「意識調査の結果、分かったことは、日常の共用空間が充実すればするほど、他の家族との触れ合いに対し満足度が高まるということです。また、共用空間の充実は、子どもの社会性の向上にも大きく影響していることが分かりました」(甲斐氏)。

しかし、現代の社会は、食事にしても住まいにしても、「個」の自由を満足させることが重要視され、食事も一人、テレビも一人で見る傾向が強い。このようなニーズに合わせて住宅づくりを進めると、「他人とかかわらない」「外環境を必要としない」という状況が生まれる。このように「個人と社会とのつながりが希薄になり、その結果、引きこもりや孤独死など社会病理的な問題がおこっている」と甲斐氏は指摘する。

「このような状況の中、街に『環境』と『コミュニティ』を再生させようというのが、グリーンチェーン推進ネットワークのビジョンです」と甲斐氏は続ける。

「調査結果からも分かりますように、共用空間を充実させることで個人単位では味わえない価値が得られます。これまでの事例からその価値を感じていただきたいですね」(甲斐氏)と締めくくった。

株式会社チームネット 代表取締役 甲斐 徹郎 氏

株式会社チームネット 代表取締役 甲斐 徹郎 氏

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