世界初LEDヘッドランプ搭載車 2010年に国内で普及率5%へ
文/相馬隆宏(日経エコロジー)
省エネ・長寿命が売りの白色LED(発光ダイオード)を使った自動車用ヘッドランプが、トヨタ自動車の新型ハイブリッド車に世界で初めて採用された。開発元の小糸製作所は、環境対応車を中心に販売拡大を狙う。
トヨタが5月17日に発売した「レクサス」ブランドの高級ハイブリッド車「LS600h/LS600hL 」の訴求点の一つは、優れた動力性能と環境性能だ。低燃費、低排出ガスであるとともに、自動車の顔と言えるヘッドランプの光源を白色LEDにしたのも、「環境性能追求の一環」(トヨタの渡辺捷昭社長)である。

トヨタ自動車が5月に発売した高級ハイブリッド車「LS600h」に搭載されたLEDヘッドランプ。環境性能とともに、従来と一線を画したデザインで顧客へ訴求する
コスト高許容できる富裕層に

*1:「LS600h/LS600hL」とは同等
*2:今後、低減される余地が大きい
省エネ・長寿命が売りのLEDヘッドランプだが、まだ価格が割高のため搭載できる車種は限られる
LEDは炎、白熱灯、蛍光灯に次いで人類が手にした「第4の明かり」と呼ばれる。白熱灯や蛍光灯と比べて熱を発しにくい分、エネルギー損失が少ないため、省エネ性や耐久性に優れる。主に液晶表示装置のバックライトに利用されてきたが、最近は明るさが向上し、住宅の内外装照明などに用途を広げている。ただし、高価格がネックになっており、照明用として本格的に普及していない。
LEDヘッドランプのコストも、従来方式のHID(高輝度放電)と比べて2倍以上とみられる。今回、実用化に至ったのは、明るさや信頼性の向上があったのはもちろんだが、高級車に搭載したことが大きい。「LEDヘッドランプのコストは、相当割高だが、レクサスのLSでは許容範囲に収まった」(技術本部長の後藤周一小糸製作所専務)。価格が970万~1510万円と高価なLS600h/LS600hLであれば、割高な分を本体価格に吸収できるというわけだ。
普及拡大には、量産によるコスト低減を進められるかどうかがカギを握る。トヨタは、LS600h/LS600hLの販売目標を今年中に国内外で約7000台としており、量産効果を引き出すにはさらに搭載車種を増やす必要があるだろう。
小糸製作所は当面、高級車と、ハイブリッド車などの環境対応車を中心に営業をかける方針だ。トヨタのほかにも国内外のメーカーから引き合いがあり、既に搭載が決まった車種があるという。同社は、2010年に国内生産車の約5%にLEDヘッドランプが搭載されるとみている。
開発したLEDヘッドランプの耐用期間は、約2500時間というHIDヘッドランプの数倍で、評価試験では約1万時間という結果も出ている。一方、消費電力量は、「(LSのヘッドランプは)一般に普及しているHIDヘッドランプより約2~3割明るい世界最高水準を求められている」(後藤専務)ため、LS460に搭載のHIDヘッドランプと同等にとどまる。今後、LED素子を組み込んだパッケージの性能向上により、省エネ効果も得られるようにする考えだ。

上記の記事「リポート:世界初LEDヘッドランプ搭載車 2010年に国内で普及率5%へ内容については、『日経エコロジー』2007年7月号掲載時の内容となっております。
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