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第13回 騒音や振動、パワー不足も解消ガソリン並みの排ガス性能目指す

2007年7月31日

●ディーゼル車がエコカーとしての地位を確立し始めた。力強い走行を実現し、厳しい排ガス規制をもクリアするディーゼル車が続々と登場している。そこには、黒煙を吐き騒音をまき散らす、かつての面影はない。

文/山根 小雪(日経エコロジー)


現在、日本の乗用車市場におけるディーゼル車のシェアは1%にも満たない。排ガス中の黒煙など粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)に対する規制強化の影響を受け、壊滅状態に陥った。さらに東京都が1999年に始めた「ディーゼル車NO(ノー)作戦」が、消費者に「ディーゼル車は環境に悪い」というイメージを定着させてしまった。

しかし世界では、ディーゼル車がエコカーとしての地位を確立しつつある。90年代後半から政策的にディーゼル車を推進してきた欧州では、新車販売台数の40%を占める。

実際、最新のディーゼル車の性能は、従来型とは格段の差がある。排ガス中のNOxやPMは、90年当時と比べて9割以上減少している。出力は倍増しパワーのある走行を実現しているが、燃費も4割以上改善した。燃費の良さはCO2排出量の少なさとほぼ同義だ。もともとディーゼル車はガソリン車よりも燃費が良く、「CO2削減効果はガソリンのハイブリッド車に及ばないまでも、運転条件によっては近いところまでもっていける能力がある」(ボッシュ・ディーゼルシステム事業部開発部門長の伊藤悟・常務執行役員)。こうした進化から、従来型と区別するために「クリーンディーゼル」という言葉が使われるようになった。

日本製最新ディーゼルエンジン

ホンダが米国参入を宣言原油高が追い風になる

自動車メーカー各社は欧州に次いで米国市場をターゲットに据えている。ガソリンの価格が安くディーゼル車が少ない米国でも、原油高で消費者の燃費への関心が高まっているからだ。ここに商機を見たホンダは2006年5月、世界一厳しい米国の排ガス規制「Tier2 Bin5」をクリアしたディーゼル車を2008年に米国市場に投入すると発表し、世界を驚かせた。これを皮切りに、国内外の自動車メーカーも一斉に動き出した。

日本の排ガス規制は、最も厳しいといわれる米国規制と同レベル。各社が米国市場への製品投入を実現できれば、日本市場でのディーゼル復活の可能性が見えてくる。

そもそもディーゼルエンジンとガソリンエンジンは、燃料の燃焼方法が異なる。ガソリンエンジンは、空気とガソリンをあらかじめ一定の比率で混ぜ合わせてから燃焼室(シリンダー)に入れて圧縮し、点火プラグで着火して爆発させる。一方、ディーゼルエンジンは、空気だけを燃料室に入れて圧縮し高温にしてから軽油を数百気圧で吹き込む。すると点火プラグなしで自然に発火し爆発する。空気だけを圧縮するとガソリンエンジンよりも圧縮比を高くでき、1回の爆発からより多くの運動エネルギーが得られるために燃費が良い。

だが、ディーゼル車の欠点も、この燃焼方法から生じる。自然着火ゆえにシリンダー内の燃焼が不均一になりがちで、騒音や振動が出やすい。従来型の燃料噴射装置はエンジンの回転力で動かすため、回転数が低い始動時は燃料を噴射する圧力が小さい。燃料と空気がうまく混ざらず、不完全燃焼しPMが発生する。

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