リポート:日産がエコカー投入計画 長期目標は新車のCO2 7割削減
文/高田憲一(日経エコロジー)・日経ものづくり編集
日産自動車がハイブリッド車や燃料電池車、クリーンディーゼル車などの発売計画を盛り込んだ、2010年に向けての環境行動計画を公表した。その中で、長期的な目標として新車からのCO2排出7割削減を掲げた。
「低燃費エンジン」「独自開発のハイブリッド車」「燃料電池車」や「電気自動車」、そして「100%バイオエタノールへの対応車」。日産自動車が2006年12月11日に発表した「ニッサン・グリーンプログラム2010」には、多様なエコカーの発売計画がずらりと並んでいる。主要なエコカーのほとんどを網羅したもので、いわばエコカーの開発は全方位で進めるという宣言だ。

*赤字は再生可能エネルギーを主燃料と想定した車種
究極のゴールにこだわる
発表会見で志賀俊之COO(最高執行責任者)は、「うまく伝えきれていなかったが、環境技術の開発はずっと続けてきた。その環境技術で業界をけん引したい」と胸を張った。
日産の環境行動計画は、自動車メーカーのCO2削減戦略を典型的に表している。その戦略の構成は、直近・中期・長期の三段構えだ。
まず一段目が直近のテーマ。ガソリン車やディーゼル車といった既存技術の改良である。2006年12月末に2010年燃費規制値(省エネ法のトップランナー基準)を20%上回るガソリン車6車種を一気に発売したのが典型例だ。さらに日産は、これまでの技術を集大成して3ℓのガソリンで100km走れる“3リッターカー”を2010年に日本で発売する計画。これは燃費33.3km/ℓに当たり、ハイブリッド車並みの性能を備えることになる。
二段目は中期テーマで、バイオ燃料対応車やハイブリッド車、ガソリン車並みの排出ガス性能を備えるディーゼル車などだ。これらは2010年から投入する。三段目の長期テーマは、化石燃料からの脱却を強く意識したもの。ここで日産は、再生可能エネルギーで発電した電気や水素の利用を想定している。その主役になる燃料電池車や電気自動車は、将来の普及につなげるために2010年から順次投入していく。

*CO2排出は燃料の採取から走行まで(Well to Wheel)
日産の環境技術戦略の大枠はトヨタやホンダと基本的に共通だが、長期的な目標を明示したところに大きな特徴がある。例えばCO2削減に関しては、2050年に1台当たりの車の製造や走行で排出するCO2を70%減らすことが目標。「技術開発はこの削減量を念頭に進める。これの実現のために、まず今後10年間、燃費向上などでCO2排出量を40%削減する」と、志賀COOは説明する。
2050年にCO270%削減という値は、地球の平均気温の上昇を2℃以内に抑えるために必要なCO2排出量を基に、自動車に求められる削減量を日産が試算して決めた。
「現在のガソリンエンジンは、燃費を30%向上させる潜在能力があるが70%削減は無理。化石燃料から再生可能エネルギーなどへの移行が必須になる。長期目標はそれを視野に入れた日産の理念と意志」と志賀COOは強調する。

上記の記事「リポート:日産がエコカー投入計画 長期目標は新車のCO27割削減」は、『日経エコロジー』2007年2月号に掲載された特集です。なお、記事中に記載した内容については、『日経エコロジー』2007年2月号掲載時の内容となっております。
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