リポート:ナイロビで温暖化防止会議 “2013年以降”の決着は先送り
文/馬場 未希(日経エコロジー)
ケニア・ナイロビで2006年11月6~17日、地球温暖化防止締約国会議が開催した。2013年以降の温暖化対策は2008年以降に結論を出し、その後は、途上国を含めて「しかるべき行動」を取ることになる。
ナイロビ会議では、京都議定書の第1約束期間終了後(2013年以降)の温暖化対策の枠組みが、最大の争点になった。
2013年以降の温暖化対策については、(1)京都議定書を批准する日欧などの先進国(米国を除く)の削減目標を話し合う「交渉」と、(2)米国を含む先進国と途上国が、将来の温暖化対策のあり方を検討する「対話」の、二本立ての議論が国際的に進められてきた。
これに加えてナイロビ会議では、(3)京都議定書の内容の「見直し」をするかどうかが協議された。この「見直し」は、最新の科学・技術に関する知見や、社会・経済に関する情報を基に京都議定書を点検するものだ。

出所/日本政府団の発表を基に作成
先進国は、(3)の見直しを通じて、排出量の多い一部の途上国にも2013年以降、何らかの形での温暖化ガス削減を期待している。日本は重点的な見直しの実施を強く主張したが、途上国は簡単な見直しでよいとし、議論は長引いた。
最終日の閣僚級会合で、議論のこう着状態を解いたとされるのが、西村六善・気候変動担当政府代表の「(簡単な)見直しにとどまり、何ら行動に結び付かないなら、この会議に期待する人々に説明がつかない」という言葉だった。強く反対した中国が、最後は孤立した形で折れたという。
最終的に2008年にも京都議定書を見直すことが決まった。その後も定期的に見直すことになりそうだ。
この見直しを通じて、日本などは途上国にも、2013年以降ある程度の削減を求めていくことになる。
ただし、ナイロビ会議が発表した決定文書の草案には、「2008年に京都議定書を見直す」と記した上で、その際には「新たな約束をどの締約国にも課さない」という条件が付いた。つまり、途上国に配慮して2008年は京都議定書を見直すことに終始し、新たな削減義務を検討することはないとした。
ただ、この文書には同時に、「見直しに基づいて、締約国会議が“しかるべき行動”を取る」という1文も盛り込んだ。あいまいな言葉を使いながらも、見直しの結果、必要となれば別途、途上国も含めた削減義務のあり方を検討する道筋を作ったということになる。
京メカ維持の必要性盛り込む
ナイロビ会議が発表した別の文書には、「京都メカニズムを含む温暖化対策に、先進国が2013年以降も取り組むとのメッセージを発するべき」と、京都メカニズムの継続を示唆するかのような1文が盛り込まれた。欧州がこれを求めたとされるが、日本は、京都議定書を見直す前から、その一部である京都メカニズムを保証するのは筋が違うと反対した。
CO2地中貯留事業をCDM(クリーン開発メカニズム)にするかどうかも議論された。実現すれば大規模なCO2削減が可能だが、この技術を当てに省エネや脱化石燃料の取り組みが滞るとの懸念が残る。長期的な環境への影響を危惧する声もある。
日本やノルウェー、産油国が支持したが、ブラジルなど途上国の一部は反対。結局、今回の決着は見送られ、2008年に結論を出すことが決まった。

上記の記事「リポート:ナイロビで温暖化防止会議 “2013年以降”の決着は先送り」は、『日経エコロジー』2007年1月号に掲載された特集です。なお、記事中に記載した内容については、『日経エコロジー』2007年1月号掲載時の内容となっております。
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