いよいよ農作業を体験!
慣れない動きにあたふたする場面も?
実は今、安心院のグリーンツーリズムでは、農業体験をメインには置いていない。ややもすると「グリーンツーリズム=農作業などの体験」という図式が日本では定着してきたが、慌しく農作業をこなすだけで終わってしまうことが多かった。
たった1泊、2泊の短い時間である。何もないところで、何もしない――「これが一番いい」とミヤ子さんは言う。例えば、共に囲炉裏で一晩、語り明かすだけでいい。むしろその方がお互いに楽しく、心の交流も深まるというのが、これまでの経験から中山文弘さん・ミヤ子さん夫妻が実感したことだ。
逆に「何か体験しなければならない」と決めてしまうことは、心理的なハードルにもつながる。安心院町グリーンツーリズム研究会の立ち上げから5年間、事務局として参加者の声を聞き続けてきた宮田氏も、「農業体験は絶対必要なものではない」という結論に至った。農泊に興味を持った人が、気軽に訪れやすい場所であることこそ、まずはグリーンツーリズムを軌道に乗せていくうえで重要なのである。
そこで同研究会では、本格的にグリーンツーリズムに取り組んでみたいという人には、別途、専用のコースを設けた。もちろん、宿泊先ごとに細かな体験メニューも用意している。
ECO JAPAN編集部のスタッフが訪れた日は、稲刈りには少し時期が早く、稗(ひえ)を刈らせていただくことになった。

3町(約3万m²)ある中山さんの畑。このほかに田んぼが3段ある

稲と稗を選り分けるのが難しく、思うように刈れない編集部スタッフ(写真左)と、あっという間に刈っていくミヤ子さん(写真左)。左手でしっかり根元をつかんでいないと、うまく鎌が入らない。刈った稗はある程度の量になるまで束ねて持っているのだが、束を持ったまま次の稗をつかむという作業を片手でするのは意外に難しい
続いて、レタスの苗を植える作業を手伝った。
穴を掘って埋め、水を掛けるだけの簡単な作業だが、しゃがんだり、腰を曲げ続けるのでそれなりにつらい。たった30分間か1時間程度の体験でも、農業の大変さが伝わってくる。同時に、土に触れる心地良さや、こうして作られる農産物のありがたみも感じる。

まずはやり方を教わる。ミヤ子さんは手際が良いのでとても簡単そうに見える

苗と苗の間隔や穴の深さ、土の掛け具合などを真剣に悩むスタッフ。1つ植える間に、ミヤ子さんは「適当で大丈夫」と言いながら3つ4つと植えていく(写真左)。仕上げの水やりは近くの小川から汲んできた水で(写真右)。天気が良いので「もう少し掛けて」とのアドバイスも
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