様々な使用場面に合わせて
規模やデザインを工夫
バイオトイレの機構を改良するのと同時に、様々な使用場面を想定した製品開発にも余念がない。早い時期から商品化していたのが、介護用のバイオトイレだ。
「私がバイオトイレを知ったのと同じころ、母が自力でトイレへ行けなくなって、室内用トイレを使うようになったんです。でも、排泄物の処理を誰かに頼まなければならないし、においも気になるし、室内にトイレがあること自体も恥ずかしいらしくてね。私たちが見舞いに行くと、隠そうとするんですよ」(橘井氏)。
そんな母親の姿を切ない思いで見つめた橘井氏は、介護用バイオトイレの製品化を思い立つ。バイオトイレの仕組み自体は通常のものと同じだが、外観を工夫した。見た目にはトイレだと分からないように、便座の部分にはクッションを置き、トイレットペーパーや操作盤は肘掛の部分に収め、普段は一人掛け用のイスにしか見えないデザインに仕上げた。
正和電工本社のある旭川は家具の町としても有名で、介護用バイオトイレのイスの部分は市内の家具メーカーに依頼した。介護用バイオトイレは、使用者には排泄物の処理やにおいの心配がなく、尊厳が守られるというメリットが、介護をする側には介護の苦労が軽減されるというメリットがある。左の写真は北海道産のナラ材を使用したタイプ。右はクッションを取り外し、肘掛のふたを開けた状態。
(画像をクリックして拡大できます)
家畜用バイオトイレも見逃せない製品である。一般的に家畜の排泄物処理は、穴を掘って埋めるという。しかし排泄物が大量になるほど、それが土壌汚染や水質汚染を招くとして問題になっている。2004年には「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」が定められ、多くの畜産農家が排泄物処理に頭を悩ませているという。
「北海道の人口は約550万人ですが、乳牛は6000万頭もいます。牛は人間の50倍もの排泄物を出すので、その処理は大きな問題です。家畜用バイオトイレは乳牛約50頭分の排泄物を処理できますが、まだまだ改良を続けていきたいですね」と橘井氏。
ほかにも、同社では車いす対応のスロープ付きバイオトイレや、トラックで運搬しやすいように伸縮式の機構を儲けた仮設バイオトイレ、ペット用バイオトイレなどを開発している。
そして、このほど、最新のバイオトイレが登場した。組み立て式のバイオトイレである。

高さ2m、幅が11m、奥行き2mの巨大な家畜用バイオトイレ。上部に乗った四角い筒状の物体は排気のための煙突で、立てて使用する。
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