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自治体が備蓄する様々な
防災用品のひとつとして

日本では上下水道の整備が進んでいることから、水洗トイレの普及率が高いが、諸外国に目を向けると、そういったインフラが整備されていない地域は非常に多い。

経済発展著しい中国もそのひとつだ。排泄物処理の仕組みが整っていないために、そのまま“自然に返された”排泄物が、土壌や水質を汚染しているとして、非常に大きな問題になっている。特にオリンピック開催を控えた北京では、トイレ問題の解決は急務で、トイレの水洗化を一気に進めている。しかし、高度な下水処理施設がないために水が汚染され、水道水を使用する際には浄水器が必須という状況だ。

橘井社長のもとにはたびたび、中国をはじめとする各国の視察団が訪れるという。

「バイオトイレは水を使わないので、下水道が整備されていない場所でも使えます。だから、皆さん驚かれますよ。日本にすごいトイレがあるぞってね。すでに当社には20カ国以上から視察団が訪れ、7カ国に輸出実績があります。こうした海外での需要に対応すべく、取扱説明用のDVDは日本語版のほかに、中国語版、英語版、ロシア語版を用意しました」(橘井氏)。

バイオトイレの取扱説明用のDVD。4カ国語に対応している。

バイオトイレの取扱説明用のDVD。4カ国語に対応している。

また、同社が開発した無電源タイプのバイオトイレも注目を集めている。

標準型のバイオトイレは効率的な分解、処理のために、電動でスクリューを回転させておがくずを攪拌するが、山間部など、電源確保が難しい地域も少なくない。むしろ、そういったインフラが行き届いていない地域ほど、バイオトイレが必要とされる。無電源タイプであれば、どのような環境下でも設置可能だ。

無電源タイプのバイオトイレは、直径50cmほどのハンドルを手で回して攪拌するタイプと、自転車のペダルを漕いで攪拌するタイプの2種類がある。また、風力発電用のプロペラや、太陽光発電用のソーラーパネルを組み合わせて、自然エネルギーによって電力を得るタイプも開発。大雪山系黒岳山頂付近にはこの自然エネルギーを活用するタイプが導入された。

「水道も電気もいらないから、災害時には大いに活躍するはずです。地震が起きてから慌てて用意しても間に合わないので、自治体には防災用品のひとつとして、バイオトイレを備蓄しておいてほしい」と、橘井氏は弁に熱を込める。

バイオトイレは設置もメンテナンスも容易なので、普段は夏祭りなどのイベントの仮設トイレとして使用し、いざというときには防災用品として活用するという使い方も考えられるだろう。こうした防災用品としての需要に応えるべく、同社ではコンパクトに収納できる組み立て式のバイオトイレを開発、近々販売を開始する予定だ。

まさにいいこと尽くめのバイオトイレだが、家庭やオフィスなど、我々が普段生活している場所に普及していないのはなぜだろうか。

最大の理由は、現在の建築基準法がバイオトイレの存在を事実上認めていないことだ。同法では、下水道処理区域内では水洗トイレの設置を規定している。バイオトイレは排泄物を水で流さないため、下水道が普及している地域では設置できないのである。

後編ではバイオトイレ普及のための課題を詳しく解説すると共に、開発の背景や組み立て式のバイオトイレについてもリポートする予定だ。

無電源タイプのバイオトイレ室内。

無電源タイプのバイオトイレ室内。用を足した後は自転車のペダルを漕いで、スクリューを回し、おがくずと排泄物を攪拌する。ペダルは正回転で20回、逆回転で10回、漕げばよい。

後編はこちらからどうぞ)

▼問い合わせ:正和電工 株式会社
北海道旭川市工業団地1条1丁目3番2号
http://www.seiwa-denko.co.jp/

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