21世紀のトイレに水はいらない!(前編)環境に優しく、災害時にも活用可能なバイオトイレ 正和電工株式会社 代表取締役 橘井 敏弘 氏
●7月16日に発生した新潟県中越沖地震。過去の大地震と同じく、被災地一体のライフラインは地震発生直後にストップした。比較的復旧が早いのは電気と電話だ。地震発生から2日以内で使用可能になっている。その他は、上水道が8月4日に全面復旧、下水道が8月14日に一部仮配管を使用して復旧、ガスが8月23日時点で97%復旧しているという。
●被災後に最も困るもののひとつがトイレだ。断水になると水洗トイレは使えない。新潟県中越沖地震の被災地には、汲み取り式の仮設トイレがいくつも持ち込まれ、新潟県内外からバキュームカーも応援に駆けつけた。それでもトイレの絶対数は不足していた。汲み取り式特有のにおいも被災者のストレスになったようだ。
●本稿で紹介する正和電工の「バイオトイレ」は、そんな心配が一切いらない“自己完結型”のトイレである。排泄物は便器の下に据えられたタンク内の“おがくず”によって、丸1日もあれば完全に分解される。固形物は一切残らず、水分はすべて蒸発してしまう。つまり、上下水道も、バキュームカーも必要としないのである。
●「そう言っても、最初はなかなか信じてもらえないんだよね」と語るのは、正和(せいわ)電工の橘井敏弘(きつい・としひろ)社長だ。同社では10年以上前からバイオトイレの販売を開始し、日本一の来場者数を誇る旭川市の旭山動物園や、富士山五合目登山口などでの導入実績もあるという。まずは、水洗でも汲み取りでもない、新発想のバイオトイレのメカニズムからご紹介しよう。
取材/土屋 泰一、林 愛子 構成・文/林 愛子 写真/佐藤 久

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