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1kgあたり109円の回収コストをいかに圧縮できるか

今回の取り組みは、回収機の設置などに携わるトムラ・ジャパンと住友商事、ICカード関連のシステムを提供するNTTコミュニケーションズ、回収機を設置するマルエツなどの大手スーパー各社と、多くの民間企業との協働による一大プロジェクトだ。これだけの規模で取り組む背景にはペットボトル回収のコストの問題がある。環境省の調査によれば、人口30万人規模の自治体ではペットボトルの回収に1kgあたり150円程度かかるという(ちなみに足立区の人口は64万5千人)。足立区では大型回収車の導入などでコストダウンを図り、109円/1kgにまで減らしたが、それでも年間の回収コストは2億円に上る。

ペットボトル自動回収機は2億円ものコストをさらに低減させるための策として、企業側からの提案を受ける形で導入されたものだ。それだけに、この事業に費やす予算は最小限に留めなければならない。回収機設置に関しては、購入やリースよりもコスト負担が軽い従量制で契約している。また、回収機の電気代やICカード発行などのオペレーションコストは設置店舗が負担するが、インセンティブのコストは区が負担するため、インセンティブの種類は多彩でも、ペットボトル1本当たり0.5円以内に抑えるようにしているという。従来どおりの方法で回収した場合の単価以下にするのが狙いだ。「インセンティブに予算を割いても、減容化によって運搬コストなどが削減できるので、回収費は109円/1kg以下になる」(足立区環境部計画課管理係主査の久保茂夫氏)という。

利用者に無償貸与されているICカードのコストも区が負担している。発行枚数はすでに6千枚超。利用者が拡大するほどにコストは嵩んでいくが、有償では普及に歯止めがかかってしまう。そこで、券面は「あだちエコネット事業」のシールを貼りつける以外にデザインを施さず、NTTコミュニケーションズのロゴがプリントされたデフォルトのまま使用することで、同社から格安で提供してもらうこととなった。

つまり、利用者にとっては「インセンティブがもらえる」「集積所に出すよりも楽しい」など、店舗にとっては「回収や保管に費やす負担が軽減される」「集客効果が期待できる」など、足立区にとっては「回収率向上が期待できる」「回収コストが低減される」など、それぞれにメリットがある仕組みになったというわけだ。

NTTコミュニケーションズのデフォルトのカードを使うことでコスト削減

NTTコミュニケーションズのデフォルトのカードを使うことでコスト削減

もうひとつ足立区がこだわったのが、いわゆる「ボトルtoボトル」のリサイクルだ。

「回収したペットボトルから衣料品などが作られていますが、ペットボトル以外のものを作ると、そこでリサイクルの輪が終わってしまいます。回収したものを再びペットボトルにすれば何度でも再利用できますから、足立区では回収したペットボトルを国内のペットボトル再生工場に持ち込んでいます」(足立区 久保氏)

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