楽しく便利にリサイクル インセンティブで参加意欲の向上を図る「あだちエコネット事業」 ―前編―
●いまや環境対策は地方自治体にとって最重要課題のひとつだ。いかに特色あるプランを練り、住民を始めとする関係者の協力を取り付けるのか、頭を悩ませている自治体も多いことだろう。そのなかでも、東京都足立区が展開する「あだちエコネット事業」は、教育現場や民間企業との協働に積極的であったり、参加者にインセンティブが付与されたり、周囲を巻き込もうとする工夫が随所になされている点に特色がある。
●「あだちエコネット事業」は将来的には「エコ」をキーワードにドメインを拡大していく予定だが、現在は、小学校にて野菜くずを回収する“循環型食品リサイクル事業”と、スーパーマーケットにてペットボトルを回収する“企業提案型資源回収事業”の2種類が実施されている。本稿は足立区における取り組みの前編として、循環型食品リサイクル事業についてリポートする。
取材/土屋 泰一 取材、文/林 愛子 写真/佐藤 久
野菜くずが再び野菜となって食卓に上る“循環型”事業
平成18年度の新事業としてスタートした「あだちエコネット事業」とは東京都足立区が、区民や地域、学校、商店街、各種団体、事業者とネットワークを組み、協働で環境活動に取り組む事業のことだ。現在は、野菜くずの回収を行う“循環型食品リサイクル事業”と、ペットボトルの回収を行う“企業提案型資源回収事業”が実施されており、予算はそれぞれ917万円、3,988万5千円が割り振られている。後者のペットボトル回収については別途後編にて説明するとして、ここでは“循環型食品リサイクル事業”について紹介しよう。
“循環型食品リサイクル事業”は、家庭や給食で生じた生ごみ(野菜くず)を回収して肥料化し、有機農家や学校農園でその肥料を使って野菜を育て、回収に協力した区民がその野菜もしくはエコグッズを入手できるという“循環型”の事業モデルである。この事業のポイントは2つあり、ひとつは次代を担う子供達が参加しているということ、もうひとつは協力者にインセンティブを付与しているということだ。
家庭から出た野菜くずの回収は、足立区立古千谷(こぢや)小学校と、足立区立弥生小学校の2校で行われているが、今回は足立区北部に位置する古千谷小学校にて取材を行った。

静かな住宅街のなかに位置する足立区立古千谷小学校
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