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5. ランドシャフトによる環境評価の提案

この入門「近自然学」の連載にたびたび登場する言葉に「ランドシャフト」がある。ランドシャフト(Landschaft)はドイツ語で、日本では最初「景観」と訳された。しかし、単に見た目の形のことだけを意味するのではない。このため最近は、「景域・風景・風土・情景」などとも訳される。実は、音も、匂いも、味も、感触も、そして感動や直感などの心の動きさえもランドシャフトなのである。つまり「五感+心(畏怖や感動など)」で感じるもののすべてを合わせたものと言えようか。

「新しい道づくり〜安全で気持ちの良い道をつくる(3)」「新しいまちづくり〜環境負荷が小さく、人間主体の住みよいまちを考える(2)」「新しい川づくり〜安全で自然豊かな川をつくる(2)」の章でお話したように、このランドシャフトは気持の良い環境を整える上でとても重要である。皆が気持の良い環境を求めている。そして、だれも他人に不快感を与える権利はない。つまり、気持の良い環境は我々人類の共有財産と言えるのだ。

そこで、このランドシャフトを環境評価における一つの基準として使うことを提案したい。ランドシャフトは、いろいろな要素をひとまとめにしたようなものである。これを環境評価のための基準として使うことによるメリット(長所)は、

  • 人間の本質的な直感(能力)に根ざしているのでコンセンサスを得やすい
  • 様々な要素を全体としてとらえることが可能となる(総合評価)
  • 一般市民が、だれでも参加できる(住民参加)

ことなどだろう。もちろん快不快は個人的な差があるので、十分な議論が必要なことは確かでもある。

山脇 正俊

近自然(工)学研究家。チューリッヒ州近自然工法アドバイザー。スイス連邦工科大学・チューリッヒ州立総合大学講師。北海道工業大学客員教授。

電子メール:masayama@aol.com

ホームページ:http://members.aol.com/masayama/

最新著書:「近自然学」(2004年4月、山海堂より出版)

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