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新しいビジネスのススメ(4)

2005年7月21日

前回に引き続き今回も、近自然社会に適合したビジネスのイメージを提案する。今回取り上げるのは以下の産業である。

4. 販売業・サービス業
5. IT関連
6. 建設業
7. 政治(議会、行政)

4. 販売業・サービス業

販売業・サービス業の運営について特に強調したいのは、売り上げではなく、利益獲得を重視したビジネスを展開することだ。利益率が低いということは、付加価値が認められていないということ。薄利多売は、消費者の味方のようにも映るが、大量消費、使い捨てを前提に成立している現状が続くなら、消費者を環境問題で苦しめることになる。「マンパワーで利益を確保する」という近自然ビジネスの基本は、販売業・サービス業にも適用される。商品だけでなく、「信用」を付加価値として販売することで正当な利益を得るようにしたい。

特に、消費者のニーズに合致した「プロの目利き」をコンサルタントとして提供するならば、無駄な物を売らない・買わせない、それでいて消費者も満足だという、理想的な関係を築くことが可能になる。省消費は、環境負荷の低減につながる。消費者の「求め過ぎ」を抑制する力を販売業は有している。もちろん、この「目利き」の価値は、価格に転嫁する。

販売業が取り扱う商品は、環境負荷を小さくするよう工夫しながら物を生産するスローインダストリーなどが生み出したものが増えるだろう。地産地消やフェアトレードも、同時に重視したい。取引形態は、安全や安心を消費者が実感できる「手渡し」が基本となる。これが困難な場面でも、インターネットや宅配などを活用することで信用が伝わる、そういうビジネス展開が望ましい。

近年は、「表示」や「認証」によって「安心」を付加する販売が活発化している。しかし、販売者が、プロとして的確にコーディネートし良い品を販売するなら、「表示」や「認証」に頼らずとも、消費者は満足が得られるだろう。最近横行している「不正表示」も一掃できるに違いない。

考えておかねばならないのは「在庫」の取り扱いである。大量のデッドストックや、安易な廃棄処分は環境負荷が大きくなるので避けたい。使い捨て、大量消費を推し進めるための大量在庫は、避けることが基本だ。ただし、部品の在庫を長期間持つことが、かえって最終製品の買い替えを減らし、環境負荷の低減に結び付くこともある。情報を収集し、不要な在庫を減らすことが重要だろう。

写真5 対面販売なら、「安心」という価値を手渡しで販売することができる
写真は昔ながらの商店街。驚くほどまじめに生産された地元の食材などを安価に販売している(七曲商店街)。大半の店主が、商品の生産・製造工程などをプロとして理解しているため、店主の勧める商品を安心して購入することができる。大規模店舗の陳列棚に山積みされた「表示」や「認証」付きの商品を購入したがる現代人は、販売・購入といった行いの中で生まれる人間関係の大切な何かをなくしつつあるのかもしれない。

注1)フェアトレード(Fair Trade):「公正な貿易」の意味。途上国の農産物や製品を、市場価格よりも高い適正な価格で、継続的に購入することで、途上国の人々への支援を目指す取組み。オルタナティブ・トレード(Alternative Trade)とも呼ばれる。

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