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オリジンを大事にする芸術に触れて
自然を見る目を養う

──アレックスさんは文人として日本の様々な文化や伝統芸術を体験する活動をされています。こうしたものを学ぶことも、エコにつながっていくのでしょうか。

カー氏:  昔の文人は、お茶、お花、書、俳句など様々な表現をしましたが、一貫した世界の見方を知っていました。それに触れることで、自然を見る目を養っていたのです。

一方、今の日本の伝統芸術は、形だけになってしまう傾向がありますね。例えば生け花の半分がプラスチックのオブジェでできているなんていうのは、あまり意味がない。一方で、自然や、四季や、花を大切にしている人もいます。

京都の庵にて。アレックス・カー氏の左後ろの生け花は守屋實智子氏によるもの。彼女の父親は裏千家の師範という。

京都の庵にて。アレックス・カー氏の左後ろの生け花は守屋實智子氏によるもの。彼女の父親は裏千家の師範という。


うちの体験プログラムは「Origin」(オリジン)といいますが、これは様々な芸術の根本にあった精神を大切にして、そこから生まれた芸術に触れ合うことが大事だという思いです。そうでなければ、触れてもあまり意味はありません。

お花、お茶、書など、みんな2つに分かれてしまっていますね。オリジンを大事にする先生と、そうでない、オブジェを作る人。でも、オリジンを大事にする芸術は、人の心を動かすと、私は思います。日本の心や日本の物を決して押し付けるのではなく、心が自然に引き寄せられます。

紛らわしいものと素晴らしいものの両方がありますから、勉強したい時には、気をつけなくてはいけません。見分け方は、色々な人に聞いてみるしかないですね。自分の心の思いのまま、静かに、一見何でもないようなことをやっているようなものが、いいものだと思います。


──今日はありがとうございました。

アレックス・カー著『犬と鬼 知られざる日本の肖像』(講談社刊、2002年)

アレックス・カー著『犬と鬼 知られざる日本の肖像』(講談社刊、2002年)

アレックス・カー著『美しき日本の残像』(朝日新聞出版、2000年)

アレックス・カー著『美しき日本の残像』(朝日新聞出版、2000年)


アレックス・カー(Alex kerr)氏

経歴

1952年アメリカで生まれ、日本には1964年に初来日。エール、オックスフォード両大学で日本学と中国学を専攻。1973年に徳島県東祖谷山村で茅葺き屋根の民家(屋号=ちいおり)を購入し、その後、屋根の葺き替えを完成させ田舎の復活活動に取り組んできた。1977年から京都府亀岡市に在住し、京都を初め日本各地で文化講演、執筆活動などを続ける。1984年から1993年まで、アメリカの不動産開発会社トラメル・クロー社の日本代表を勤める。
 
1993年、著書『美しき日本の残像』(新潮社刊)が外国人初の新潮学芸賞を受賞。また、2001年には『犬と鬼』(講談社刊)を執筆し、日本が抱える「文化の病」を取り上げ、注目を浴びる。1997年からタイ(バンコク)に第二の拠点を構え、京都とバンコクを往来しながら文化活動を続ける。2003年『「日本ブランド」で行こう』(ウェイツ)を上梓。
 
2003年12月4日、京都に「美しい日本を次の世代に」を使命として株式会社 庵を設立、取締役会長に就任。京都では、京町家の保存を目的に京町家スティと日本の伝統文化体験研修事業をスタート。全国で地域観光振興コンサルティング。
 
2005年、京都とバンコクで「ORIGIN」(オリジン)プログラムを設立。ORIGINは伝統芸術の紹介・研修を主にプロデュースし、京都では茶道・書道・武道・能楽が中心に開催。
 
株式会社庵 会長
国土交通大臣外国人観光まち作り委員会委員
国土交通省景観百選選定委員会委員
日本イコモス会員
経済産業省地域中小企業サポーター
YOKOSO! JAPAN大使
2008年2月より長崎県北松浦郡小値賀町の「観光まちづくり大使」
アレックス氏の『美しき日本の残像』は英語、イタリア語、ポーランド語、日本語、そして現在中国語で製作が進行中。

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