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エコにも貢献してくれる
発光の仕組み

――ところで、有機ELのテレビは省エネの観点からも優れているということですが、それは何故なのでしょうか?

城戸:  現在、出回っているテレビの中では液晶が一番省エネだと思うのですが、液晶は先ほども言ったようにバックライト方式ですから、光っている部分、光らない部分に関係なく、全面に光を照射し続けなければならない。例えば、画面で黒っぽい部分があったとしますね。液晶ディスプレイでは、そうした時はバックライトの光を塞いで黒色を出しています。しかし有機ELの場合は“光らない”ことで黒を表現ができます。そうした構造の違いから、有機ELテレビは液晶テレビの4分の1程度の消費電力で駆動することができるのです。


――省エネの面で優れた有機ELテレビが普及をすれば、かなりCO2削減に貢献できそうですね。普及のための条件は低価格だと思うのですが、それは実現できそうですか?

城戸:  今はまだ大量生産していないから高いですね。今後、大量生産が始まり普及していけば価格は安くなっていくと思いますが、そのためには大型画面を低コストで作る方法を開発する必要があり、私もそこに力を注いでいます。


――有機ELの製造工程では、液晶製造ラインを一部使えるということもあるようですが…。

山形大学 大学院 理工学研究科 有機デバイス工学専攻 城戸 淳二 教授

山形大学 大学院 理工学研究科 有機デバイス工学専攻 城戸 淳二 教授

城戸:  大型の有機ELを本格的に大量生産し市場に出すためには、低コストの製造ラインの開発は不可欠です。そこの開発をめぐって、今、各国がしのぎを削っていると言ってもいいでしょう。例えば、ドイツなどはそのための研究開発費に5年間で約160億円も予算を投入しています。日本はどうかと言えば、3年で約8億円。まるでケタが違います。日本政府も薄く広くといったバラマキ予算は止めて、可能性のある分野に集中的に予算を投じて欲しいものですね。例えば、有機ELの大型化プロジェクトを作って各メーカーがそれに取り組む。それでもしないと将来性のある有機ELの分野で日本が遅れをとってしまいます。

 それと大量生産するためには大規模な投資が必要ですから、メーカーの経営判断も関係してきます。「有機ELをうちはやっていくんだ」、その決断をどこでするか、ということにかかってくるのではないかと思っています。メーカーの中にはもうしばらく液晶やプラズマを売りたいと考えていて、有機ELの技術開発をあまりオープンにしないところもありますからね。


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