このページの本文へ
ここから本文です

製造ラインの確立に向け
国をあげての支援を!

――開発における現時点での課題があれば、教えてください。

城戸:  さらなる高効率化ですね。また製品として成り立つためには、低コストで品質が良いものを作らなければいけない。そのためには、効率の良い製造ラインの開発が必要です。

今、照明用の有機ELの開発は世界で熾烈(しれつ)な競争になっていて、せっかく新たな技術を開発しても、同様な技術をすぐに他で開発されやすいのです。その点、製造ラインというのは他社から見えないですから、そこに技術やノウハウを詰め込んでしまえば、ブラックボックスになってマネをするのが難しい。

そのような意味において、私は日本が物づくりで国際競争力をつける一つの方法は、メーカーが部品を他社から供給してもらわないで、自社の製造ラインを持つということだと思っています。そうすれば安くて良いものが供給できる。有機EL照明で日本が世界でリードするためには、製造ラインの開発が大きなカギを握るでしょう。

 そのためには、国をあげてのサポートも不可欠ですね。半導体メーカーなどの環境が整っているドイツでは、国をあげてプロジェクトを推進していて、5年間に160億円の予算で有機EL照明の実用化を目指しています。また、韓国、台湾、中国も開発に参入してきています。そうした中、日本が他国に遅れをとらないためには、国をあげての取り組みが絶対に必要だと思うのですが、現段階では予算が1ケタ違う感じです。政府はバラまきじゃなくて、何が今重要かを見極めて、重点的に予算を振り分けてほしいと思いますね。


(後編に続く)


山形大学 大学院 理工学研究科 有機デバイス工学専攻 城戸 淳二 教授

山形大学 大学院 理工学研究科 有機デバイス工学専攻 城戸 淳二 教授

城戸 淳二(きど・じゅんじ)教授

経歴

1959年、大阪府生まれ。
1984年、早稲田大学理工学部応用化学科卒(高分子化学)。同年、ニューヨークポリテクニック大学大学院 Polymer Chemistry専攻入学。
1987年、同校2M.S(工学修士号)取得、1989年2Ph.D(工学博士号)取得。
1989年、山形大学工学部高分子化学科助手。
1993年、世界初の白色有機ELの開発に成功。
1996年、山形大学工学部物質工学科助教授。
1997年、山形大学大学院工学研究科生体センシング機能工学専攻助教授。
2002年、山形大学工学部機能高分子工学科教授。
2007年~、山形大学大学院理工学研究科有機デバイス工学専攻教授。
 
2002年~、経済産業省・NEDO「高効率有機デバイスの開発」プロジェクト 研究総括責任者
2003年~、山形県産業技術振興機構 有機エレクトロニクス研究所 所長
2004年~、NEDO「照明用高効率有機EL技術の研究開発」プロジェクト 研究総括責任者

主な著書

『有機ELのすべて』(日本実業出版社)
『突然変異を生み出せ』中村修二・城戸淳二共著(日本実業出版社)
『日本のエジソン城戸淳二の発想~成功は成功を呼ぶ~』(KKベストセラーズ)

ここから下は、過去記事一覧などです。画面先頭に戻る バックナンバー一覧へ戻る ホームページへ戻る

記事検索 オプション

SPECIAL

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る