このページの本文へ
ここから本文です

CO2削減にも大きく貢献
有機EL照明の底知れぬ可能性

――有機ELというと薄型テレビの印象が強く、照明といってもピンとこないところがあります。有機ELの照明の特徴とはどういうものですか?

城戸 淳二 教授(以下、敬称略):  ここにあるのが、有機ELによる照明パネルですが、ご覧の通り面状の明かりです。白熱灯や蛍光灯のように“線”ではなく、“面全体”が光っていますよね。これが有機EL照明なのです。

有機ELの照明は、ガラスやプラスチック、フィルムの上などに発光体としての有機体を吹き付けるので、軽量で薄い面状の発光体を作れるのが特徴です。これは今までの照明のイメージをガラッと変えるもので、有機ELを使えば天井全体を照明にして明るくしたり、壁紙みたいな照明を作ったり、全体がカーブして光っているオブジェとのような照明とか、これまでにないような面白い照明を作ることが可能になります。

 また、有機ELの光は太陽光のスペクトルと大変に似ていますから、より自然に物が見えるのも大きな特徴です。そのうえ、紫外線も含まないので目に優しく、部屋に置いてあるものが照明によって退色する、ということもありません。

城戸教授が手に持っているのが、有機ELの照明パネル

城戸教授が手に持っているのが、有機ELの照明パネル


――省エネを推進するために、最近、家庭の白熱電球を消費電力が大幅に少ない蛍光灯に取り替えようというキャンペーンが盛んに行われています。省エネという観点から見ると、有機ELの照明はいかがでしょう? 蛍光灯と遜色ないくらいの省エネの照明になるのでしょうか。

城戸:  白熱灯や蛍光灯の発光効率は今、技術的にほとんど限界に達していて10%から20%ですが、有機EL照明の場合、理論上は70%以上可能といわれています。つまり、蛍光灯のだいたい4分の1の消費エネルギーで明るくなる訳です。よく「蛍光灯は省エネ」といわれていますが、その蛍光灯よりもずっと省エネ効果が高いのが有機EL照明なんです。

特に電球型蛍光灯は、蛍光灯の管がグルグルとぐろを巻いていますが、あれはロスが大きい。内側の部分は光が外側に届かないので、半分は無駄になっています。もし日本中の照明を有機ELに替えたら、それだけでCO2削減にかなり貢献できると思いますね。

 それに、日本ではほとんど話題になっていませんが、ヨーロッパでは蛍光灯に含まれている「水銀」が問題視されているので、蛍光灯はほとんど使用されていないのです。その点、有機ELは蛍光灯のように環境に悪い水銀を使用していませんから、欧米をはじめ世界各国から白熱電球に替わる省エネ照明として歓迎されています。

今、日本は蛍光灯全盛となっていますから、ちょっとピンとこないかもしれませんが、テレビがブラウン管から液晶になったように、近い将来に蛍光灯から有機ELに取って代わることになると思いますよ。

ここから下は、過去記事一覧などです。画面先頭に戻る バックナンバー一覧へ戻る ホームページへ戻る

記事検索 オプション

SPECIAL

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る