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物流を根本的に変えるのは
消費者の意識の変化

――今後、モーダルシフトも含めて、物流はどうなっていくのでしょうか。

圓川:  物流コスト削減という観点から、個別に積載効率を上げるとかドライブレコーダーを導入するとか、そうしたことには企業は既に取り組んでいると思います。それ以上の取り組みまで至るのは、なかなか厳しい。そんな企業を動かせるのは、顧客と外圧です。

東京工業大学大学院社会理工学研究科 圓川隆夫教授

昨今の原油高騰で、企業は、環境だけでなく経済的な面からも、今まで以上の省エネルギー・効率化が課題となっています。物流効率化のためのパートナーシップの構築などが模索されていくと思います。もちろん、モーダルシフトも、その中のひとつのソリューションとして進められていくでしょう。

とはいっても、共同配送センターの利用やEDIの共同利用は、日本企業の商慣習や流通コスト構造まで根本的に変えないと、一斉に導入するのはなかなか難しい。この状況をさらに変えることができるとしたら、消費者の意識の変化です。

24時間365日、いつでも自宅の近所のコンビニエンスストアでお気に入りのシャンプーが買えるのは、1日6回、時間通りに商品を配送する物流システムがあるからです。

しかし、そのシャンプーの価格にどれだけ物流コストが含まれているのか、そのためにどれだけ環境負荷がかかっているのかを考える人は、今はまだ、あまりいないと思います。


――1日6回の配送を3回に減らして、その代わり「売り切れでも明日まで我慢しよう」って思えるかどうかですね。

圓川:  難しいでしょう? でも、今は地球温暖化が大きな問題となっていて、関心を持つ人が増えています。環境問題がブランド化している現状がよいかどうかは置いておいて、さらに変わる可能性があるとしたらそこからだと私は思います。

いまの日本の物流は99.99%という高い納期順守率を誇っています。もちろんこれは素晴らしいことで、これまで企業も消費者もそれを求めてきました。しかし、世界基準でみるといささか過剰品質であることもまた事実です。

消費者の変化を通して企業が変わり、その新しい発想を持つ企業がクリティカルマスを超えることができたら、モーダルシフトは大きく進むと思います。


――ありがとうございました。


圓川 隆夫(えんかわ・たかお)氏

東京工業大学 大学院社会理工学研究科 経営工学専攻 教授。専門は品質管理、生産管理、ロジスティクス。
1949年生まれ。1973年、東京工業大学工学部経営工学科を卒業。1975 年、東京工業大学大学院修士課程 経営工学専攻修了。1980年、東京工業大学 工学博士、同年東京工業大学工学部経営工学科助教授。1988年、同教授。1996年より現職。
日本物流学会賞 (2004年)、QC賞 (日本科学技術連盟・2000年)、物流功労賞 (社団法人日本ロジスティクスシステム協会・1999年)など多数受賞。
現在、日本品質管理学会会長、日本ロジスティクスシステム協会理事、日本IE協会理事など。また、財務省 関税・外国為替等審議会委員、国土交通省 交通政策審議会委員、「安全かつ効率的な国際物流の実現」に関する検討委員会 IT部会座長、輸出入・港湾関連譲情報処理(NACCS)センター株式会社設立委員会委員長など、物流政策立案および実証実験に精力的に参画している。
著書に生産マネジメントの手法 (朝倉書店 1996年) 、サプライチェーン 理論と戦略 (ダイヤモンド社 1998年) 、生産管理の事典 (朝倉書店 1999年) 、ロジスティクス用語辞典(改訂版) (共編著、白桃書房2002年) おはなし新商品開発 (日本規格協会 、2007 )他多数。

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