1300年続く秘訣はリサイクル
――遷都や遷宮で新しいものをつくるためには、莫大な費用や用材が必要になります。いくら“ケガレ”ていたとしても、毎回新しく造り替えるのは相当大変なことではないでしょうか。
井沢: 古代の遷都に関していえば、死の“ケガレ”というものは非常に深刻なものですし、特に天皇の死がもたらすケガレは、ケガレの中で最大のものと考えられました。
ですからそれまで使ってきた古い資材はすべて捨ててしまって、新しくする必要性があったんです。
――現在でいうなら、非常にエネルギーや資源を無駄遣いしていたわけですよね。
井沢: ですから(その無駄遣いを避けるために)仏教が利用されたわけです。
“ケガレ”の問題が日本人の根本にある限り、日本は都を移転し続けなければならない。それは日本民族の伝統ではありますが、それを繰り返していたら、いつまでも都が発展できないわけです。
だから藤原京の推進者である持統天皇は、自分の死後は火葬にするようにと遺言を残した。つまりに死のケガレを仏教という新しい宗教で処理するから、都は遷都せずに使い続けようとしたということです。
逆に伊勢神宮が前回の用材を一切使わないのは、天皇の宮がそうしていたことの名残なのかもしれません。
ただ、昔は20年経つとすべて壊して土の中に埋めていましたが、現在はリサイクルしています。遷宮で解体した用材は、地方の神社の建材に利用したり宇治橋の大鳥居に使ったりしています。式年遷宮が今でも残っているのはリサイクルをしているからだ、といえる部分もあると思いますよ。

平成25年(2013年)に第62回式年遷宮を迎える伊勢神宮、内宮の入口に架かる宇治橋。20年に一度、遷宮の4年前に架け替える。この大鳥居は前回遷宮で使用した柱をリサイクルしている。平成21年11月に宇治橋渡始式(うじばしわたりはじめしき)を控えている
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