日本人の営みを象徴するのが式年遷宮
――方や20年ごとにわざわざ造り直し、方や永遠に残そうとする――その違いは何のためなんでしょう?
井沢: 最大の理由は、神道と仏教に基本的な考えの差があるからだと思いますね。
神道というのは、いわば「繰り返し再生をすることの中に、永遠性を見いだしていく」という考え方ですから。太陽や人の命はもちろん、あらゆる動植物、さらには自然すべてを含めて、繰り返し再生していく……。そういったことを象徴するからこその違いではないかと思います。
――約1300年も式年遷宮が続いたというのは、日本の独自の、つまり神道的な考え方があったからなのですね。
井沢: 普通に考えればどのような民族でも、何かを永遠に保とうとする場合、例えば建物であれば石造りにして頑丈につくろうとします。エジプトのピラミッドなどを考えれば分かりやすいのではないでしょうか。あれは未来で王族が再生する点では考え方が似ていますが、再生した際に生きているときの状況をそのまま残そうということで、その器に対して永遠を求めたピラミッドがつくられたと見ることもできます。
しかし、日本人だけがそうしないのは、建物をはじめすべての(自然界に存在する)ものが常に魂の再生とかかわっていくのを永遠に続けていくことを、本質的に望んでいるからだろうと思います。
これは私の考えですが、出来上がった建物は一つの象徴です。つまり続いているのは建物という物理的なものだけではなく、人間の営みとして続けているわけです。だからこそ式年遷宮は1300年も続くのだと思います。

平成25年に第62回式年遷宮を迎える伊勢神宮の内宮社殿
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