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1つ1つの道路の是非を問う国民会議

――道路建設そのものの環境負荷についてはどうなのでしょう。高速道路を通すために山を切り開いてアスファルトを敷くのですから、それによって渋滞が緩和されるとしても、環境負荷は非常に大きいのではないかと思います。

東京大学 大学院工学系研究科 社会基盤学専攻 家田 仁教授

東京大学 大学院工学系研究科 社会基盤学専攻 家田 仁教授

家田:  環境アセスメントに合格した案件のみ、建設に向けてのプロジェクトが進みますから、一定レベルはクリアしています。あとは先に述べたように(前編参照)、環境に配慮された計画だということを、国民の心に響く形で説明できるかどうか。

周辺住民に対する説明はこれまでの経験から、かなり進んでいます。交通事故がこのくらい減るとか、排出ガスがこのくらいになるとか、比較的身近な切り口で語られています。しかし、道路は国土ですから、周辺住民だけではなく、せめて国民の半分から3分の1くらいは納得できる説明をすべきでしょう。

私は個々の道路の是非を問う「国民会議」みたいなものがあったらいいんじゃないかと思っています。会議には行政や道路の専門家はもちろん、全然関係のない地域に住む会社員や経営者、学校の先生、主婦……いろいろな立場の人に参加してもらうんです。無作為で選ばれた国民に集まってもらうという意味では裁判員制度に似ていますが、裁判員というよりは陪審員に近いかな。

そのメンバーでまずは、道路の建設予定地周辺を実際に歩く。紙の上の検討では意味がありません。道路を歩いて、地元の空気を肌で感じて、そこに住む人たちの顔を見て、話を聞いて、それを元にみんなで話し合うんです。

同じものを見ていても、それぞれに意見は違いますから、デルファイ法という予測手法のように、異なる立場の者同士で話し合っていくと妥当なところに落ち着くはずです。出来上がった建設計画の妥当性をチェックすることも重要ですが、計画策定前に話し合いのプロセスを踏めば、気持ちの上での納得度がまったく違うと思います。

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