御三家への転換をあきらめてはいないか
――日本でレンタサイクルやカーシェアリングの取り組みが広がらないのはなぜでしょうか。
家田: 国民一人ひとりの覚悟の問題だと思います。みんなで本気になって二酸化炭素排出量を減らそうと思えば、できるはずです。もちろん全員がクルマに乗るのを止められるわけではありません。先ほどのご指摘のとおり、公共交通網が発達していない地域もありますから、そこに暮らす方々はクルマを使うほかないでしょう。
しかし、都市部は公共交通が発達していて便利なのですから、二酸化炭素を出すクルマを持つことは諦めて、普段は御三家、クルマが必要なときはカーシェアリング、とすればいいと思います。それもハイブリッド車や電気自動車といった、環境に優しいクルマのシェアなら、なおいいですね。
私はむしろ、その間の規模の中堅都市こそ、御三家への転換をあきらめていませんかと問いたい。最近は人口が30万人、40万人の都市でもマイカーへの依存度を高めています。欧州では同規模の都市でも、路面電車(LRT)やカーシェアリングシステムが機能しているし、歩行者専用ゾーンや自転車専用レーンの整備も進んでいます。オーストリアのウイーンは、あれだけ小さい都市なのに、自転車専用レーンが800kmもあるんです。日本だってできないことはないと思います。

東京大学 大学院工学系研究科 社会基盤学専攻 家田 仁教授
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