医学博士 藤田 紘一郎氏(前編)寄生虫、菌との適度な共生社会が人体と地球環境の健康を促進する
●ほんの数十年前まで、日本人の半分以上はお腹に寄生虫を“飼って”いた。ところが戦後の高度経済成長期を経て、生活が豊かに、清潔になるにつれて、寄生虫の感染率は急速に下がっていった。そうしたら、花粉症やアトピー性皮膚炎などに代表されるアレルギー病が急増した。ここには明確な因果関係が存在する――。
●人間総合科学大学教授で東京医科歯科大学名誉教授の医学博士・藤田紘一郎氏は、この仮説のもとで寄生虫の人体感染によるアレルギー抑制効果を発見。40年にわたって寄生虫や菌と人間との共生について研究を続けている。また、寄生虫学をユニークな文体で解説した多数の著書やメディアへの出演によって、世間からは「寄生虫博士」の愛称でも呼ばれている。
●藤田教授は、「清潔」を追求するあまり、人間の汗や体臭までをも消し去ろうとする現代日本の「キレイ社会」のエスカレートぶりに警鐘を鳴らし続けてきた。確かに、抗菌グッズや消臭剤、防腐剤などが普及すれば、それに伴い寄生虫や各種菌などを撲滅に追い込む。
●果たして、このような“潔癖指向社会”は、人体や地球環境にどのような変化を与えるのだろうか? インタビュー前編では、共生する寄生虫と菌が人体に及ぼす好影響と、その寄生虫激減の理由、リスクなどについて、藤田教授に分かりやすく語ってもらった。
取材/土屋 泰一、イデア・ビレッジ 文/イデア・ビレッジ 写真/石川 耕三

医学博士 藤田紘一郎氏
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