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欧州は町づくりから見直し

最も典型的なのはフランスのストラスブールで、町の真ん中から自動車を追放して、路面電車とバスのネットワークをつくった。初めは商店街は反対したが、始めてみたら町が活性化した。ストラスブールは大学町で、周りに非常に豊かな緑がある。すると、みんなが町を歩くようになって、喫茶店や本屋が繁盛するようになり、昔の文化的雰囲気が戻ってきた。

――かつて、温暖化対策として炭素税の導入を提唱していた。

宇沢: 排出する炭素に一律に課税すると、発展途上国はやっていけない。そこで1991年に、1人当たりの国民所得に比例させて課税する「比例的炭素税」を提案した。当時、日本や米国は炭素1t当たり150ドルくらいになるが、例えばバングラデシュは2ドル程度で済む計算で、これならどの国でも参加できる。

ところが炭素税自体は、米国の強い反対があって京都議定書の議論のテーブルには載せられなかった。当時の西ドイツの環境大臣は全面的に賛同してくれたが、東ドイツとの合併があり実現できなかったという経緯がある。

ただし、都市のつくり方や経済的な仕組みがあまりにも石油に依存し過ぎている現状を変えるには、やはり炭素税、ないしはそれに準ずる税しかないと思う。それが、これからの世界の大きな流れになると考えている。

宇沢 弘文(うざわ・ひろふみ)氏

 1928年鳥取県生まれの78歳。
 51年東京大学理学部卒業。
 スタンフォード大準教授やカリフォルニア大学助教授を経て、64年シカゴ大学教授。  80年東京大学経済学部長。
 2003年から同志社大学社会的共通資本研究センター シニア・フェローを務める

日経エコロジー(2007年7月号)
日経エコロジー(2007年7月号)より

 上記の記事「東京大学名誉教授 宇沢弘文氏 高い志で危機を乗り越えてほしい」は、『日経エコロジー』2007年7月号に掲載された特集です。なお、記事中に記載した内容については、『日経エコロジー』2007年7月号掲載時の内容となっております。
 『日経エコロジー』は環境経営やCSR(企業の社会的責任)推進体制の構築、ISO14000の導入・運用を担当される方々に向けた、月刊ビジネス誌です。
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