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社員が会社の方向性や
夢を語れることが重要

――だからこそ、現場を活性化したいと考えたわけですね。その思いと、マイクロ水力発電を手掛けることがどう関係するのか、もう少し詳しく説明していただけますか。

松本: 私が2003年6月に現職に就いたとき、当社は既存の発電所の運営を大切に続けているだけといった状態で、残念ながら現場の意識としてそれ以上のものは感じられませんでした。今ある仕事をこなすだけで将来に希望を抱けないような状況では、現場のモチベーションが低下するのは致し方がありません。

そうした状況を打開するには、既存事業に拘泥するだけでは駄目で、自分たちの手で「新しいモノ作りをする必要がある」と考えたのです。すなわち、中小水力発電に関しては、親会社にも決して引けを取らない技術・技能を保有しているという自信を持つことによって、元々当社のコアコンピタンスである発電という事業を積極的に拡大していくべきだと。

東京発電株式会社 取締役社長 松本 一紀氏

東京発電株式会社 取締役社長 松本 一紀氏

もう一つタイミングがうまくあったのは、マイクロ水力発電の営業権譲渡の話が浮上した当時、社員の意識改革として「ISO14001」の取得を目指している最中でした。環境負荷低減という意味でも、やはりこれは我々がすべき仕事だと思いましてね。

ISO14001は2005年3月に取得し、その翌月にはマイクロ水力発電の営業権を譲り受けています。これらを通して社内には、「自分たちが積み重ねてきた技術は今後“環境への挑戦”という新しい事業につながる」という意識が徐々に浸透していったと思います。

2006年末には新しい経営ビジョンを策定しました。現場の社員が自分たちの会社の方向性や夢を語ることが重要ですから、その議論は私が社長に就任した当初から社員への宿題にしていたんです。

規制緩和やRPS法(新エネルギー利用特別措置法)の施行によって、これからの電力業界は大きく変わっていきます。当社も2010年から電気事業法の経過措置が取れて、売電先を自由に選べるようになります。そのときに「東京発電としてどうしたいのか?」「親会社である東京電力だけを相手に既存の事業を続けていくだけでよいのか」等々の問題意識ですね。

そういったことを現場の社員にぜひ考えてほしかったのです。社員全員に考えてもらい、それが昨年、経営ビジョンとして具体的な形になったということです。

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